労働者教育協会のブログ

生きにくいのはあなたのせいじゃない。

協会活動

第62回学習組織全国連絡会議

労働者教育協会(労教協)と都道府県学習組織(学習協)は、1月27・28日、東京都内で第62回学習組織全国連絡会議を開催しました。 全国連絡会議運営委員長である久田隆章氏(愛知県学習協事務局長)の開会あいさつ、石川県学習協事務局長の中野映一氏からの…

イデオロギー闘争と学習内容上の課題~総会方針より ⑨青年の動向をどう見るのか

(9)青年の動向をどう見るのか 物価高やコロナ禍で労働者の生活維持の厳しさが増している状況のなかで、青年を取り巻く環境も、よりいっそう不安定さを強めています。職場環境や賃金の改善がなされない現状、みずからの将来像が見通せない不安、社会保障へ…

イデオロギー闘争と学習内容上の課題~総会方針より ⑧「維新の会」をどう見るのか

(8)「維新の会」をどう見るのか 4月の統一地方選挙で維新は大阪府知事・大阪市長だけでなく、奈良県知事選挙でも公認候補が当選し、続く衆院和歌山1区補欠選挙でも議席を確保しました。また近畿圏の府県議選で議席を大きく増やし、全国の政令指定都市で…

イデオロギー闘争と学習内容上の課題~総会方針より ⑦新自由主義的労働改革としての「働き方改革」

(7)新自由主義的労働改革としての「働き方改革」 2010年代半ば以降、自公政権は 10年にわたって「働き方改革」を看板政策のひとつとして掲げ推進してきました。政府・与党は、この「働き方改革」を、労働者の健康と生活を守る政策であると主張し、そうし…

今回の「古典の扉」はエンゲルス著『反デューリング論』

第5日曜恒例、『しんぶん赤旗』読書面に掲載される、山田敬男会長による「古典の扉」。 7月30日付掲載分は、エンゲルス著『反デューリング論』です。 同書の「序論の一、第三編の一、二を抜き出し、加筆補強して出版した」という『空想から科学へ』は科学…

イデオロギー闘争と学習内容上の課題~総会方針より ⑥運動論から「日米安保」を考える

(6)運動論から「日米安保」を考える 今日の大軍拡の背後に日米同盟=日米安保があります。その日米安保が、1978年の「日米防衛協力の指針」(ガイドライン)の決定を画期に公然とした日米同盟の新しい段階に入り、97 年の第2次ガイドラインで「アジア太…

イデオロギー闘争と学習内容上の課題~総会方針より ⑤自衛隊はいまどう変わりつつあるのか

(5)自衛隊はいまどう変わりつつあるのか 岸田政権は、安倍政権のときに自民党が提示した自衛隊明記や緊急事態条項などの改憲4項目案を引き継ぎ、改憲国民投票の早期実施をめざしています。憲法への自衛隊明記は、災害救助などで自衛隊を容認する国民感情…

イデオロギー闘争と学習内容上の課題~総会方針より ④「コロナ禍」は、労働者・国民に何をもたらしたか

(4)「コロナ禍」は、労働者・国民に何をもたらしたか 3年にわたる「コロナ禍」は、何を労働者に問いかけ、何をもたらしたでしょうか。 第1に言えることは、「エッセンシャルワーカー」ということばがマスコミで広がったように、どんな困難な状況のなか…

イデオロギー闘争と学習内容上の課題~総会方針より ③アジアとの連帯に向けて――歪められたアジア認識の克服の課題

(3)アジアとの連帯に向けて――歪められたアジア認識の克服の課題 アジアとの連帯をすすめるうえで、避けられないのが日本の近現代史における侵略と植民地支配に対する反省です。日本では第二次世界大戦の日本の戦争と植民地支配が誤りであったという国民的…

イデオロギー闘争と学習内容上の課題~総会方針より ②「国連無力論」をどう考えるか

少し間が空きましたが、連載を再開します。 (2)「国連無力論」をどう考えるか ウクライナ危機のなかで、国連の無力化がいわれています。確かに、国連として平和と安全に責任を持つ国連安全保障理事会(安保理)は常任理事国であるロシアが侵略をおこない…

イデオロギー闘争と学習内容上の課題~総会方針より ①日本の防衛政策の転換と「抑止力論」

(1)日本の防衛政策の転換と「抑止力論」 自衛隊発足(1954年)後の日本の防衛政策は、日米安保条約のもとで、専守防衛を原則としてやってきました。その特徴を、1990 年10月22日、参議院予算委員会で当時の内閣法制局長官工藤敦夫氏は、第11に、自衛隊の…

労働者教育運動をめぐる情勢の特徴~総会方針より 国内情勢⑥政治変革をめぐる問題

(6)政治変革をめぐる問題 4月に統一地方選挙と衆参5つの補選がおこなわれました。その結果、自民党、公明党が議席・得票数を減らす一方で、日本維新の会が議席を増やし、また日本共産党は後退する結果となりました。自民党の補完勢力であることを隠し「…

労働者教育運動をめぐる情勢の特徴~総会方針より 国内情勢⑤ジェンダー平等の課題

(5)ジェンダー平等の課題 世界銀行の2020年の「女性・ビジネス・法律」 指数によると、日本は男女同権がOECD 加盟38か国で最下位です。日本では、女性に認められている法的権利が男性の8割弱にすぎないことが示され、とくに低かったのは、「職場」と「賃…

労働者教育運動をめぐる情勢の特徴~総会方針より 国内情勢④気候危機とエネルギー問題

(4)気候危機とエネルギー問題 気候危機の問題は、人類の存続にかかわる深刻な問題です。今年3月に公表された国連の「気候変動に関する政府間パネル(IPCC)」の第6次統合報告書は、世界の平均気温は産業革命前からすでに1.1度上昇しており、これまで各…

労働者教育運動をめぐる情勢の特徴~総会方針より 国内情勢③現在の労働者状態と当面する労働運動の課題

(3)現在の労働者状態と当面する労働運動の課題 2023年春闘は、「○○年ぶり」ということばが連発される「異例」な春闘となったと言われています。ここに、現在の労働者状態と当面する労働運動の課題が表われています。 〔消費者物価高騰の影響と労働者の安…

労働者教育運動をめぐる情勢の特徴~総会方針より 国内情勢②日本経済の衰退と国民生活

(2)日本経済の衰退と国民生活 1990年代から今日までのおよそ30年間に経済力の激的衰退が始まっています。世界の GDPに占める日本の割合は、1995 年に17.6%に高まった後、2010年に8.5%になり、国際機関の予測では2020年に5.3 %、2040年には3.8%まで低…

労働者教育運動をめぐる情勢の特徴~総会方針より 国内情勢①「安保3文書」 と大軍拡

(1)「安保3文書」 と大軍拡 〔防衛政策の大転換と軍事優先国家、大軍拡の実現〕 岸田政権は昨年12月に「安保3文書」(「国家安全保障戦略」「国家防衛戦略」「防衛力整備計画」)を発表しました。「国家安全保障戦略」では、「パワーバランスの歴史的変…

労働者教育運動をめぐる情勢の特徴~総会方針より 国際情勢⑤平和の発信地域としての東アジア

(5)平和の発信地域としての東アジア 日本の平和の問題は、アジアのなかで考えることが大切です。アジアには、2005年、中国やロシアを含めたASEAN(東南アジア諸国連合)を中心とする外交の場である東アジアサミット(EAS)が創設されています。ASEAN10か…

労働者教育運動をめぐる情勢の特徴~総会方針より 国際情勢④朝鮮半島情勢の特徴

(4)朝鮮半島情勢の特徴 韓国では2022年3月大統領選挙で保守陣営が勝利しました。ろうそく革命の流れを汲んで成立した民主派政権が交替させられました。民主派政権は、北との「対話による平和」外交路線など、その少なからぬ成果にもかかわらず、新自由主…

労働者教育運動をめぐる情勢の特徴~総会方針より 国際情勢③中国の覇権主義と台湾問題

(3)中国の覇権主義と台湾問題 台湾問題の動向は日本とアジアの平和にとって大きな影響を与えます。アメリカは中国の武力統一には「力」で対抗する態度をとり、日本はそれにしたがい、「日本有事」と見なして、アメリカと一体となって「敵基地攻撃」の体制…

労働者教育運動をめぐる情勢の特徴~総会方針より 国際情勢②アメリカの世界戦略の大転換

(2)アメリカの世界戦略の大転換 こうした防衛政策の転換の背後に、アメリカの世界戦略の大きな転換がありました。冷戦以降、アメリカは「対ならず者国家」戦略をとっていましたが、2010年代から中国への対決姿勢を鮮明にします。中国の急速な経済的成長と…

労働者教育運動をめぐる情勢の特徴~総会方針より 国際情勢①ロシアのウクライナ侵略から 1 年

先に開催しました第63回労働者教育協会総会にて確定した方針から、情勢の特徴、イデオロギー闘争や学習内容上の課題にかかわる部分につき、随時、紹介していきます。 本日は、その1回目です。 国際情勢と国内情勢を各5回、計10回掲載の予定です。 ****…

第63回労働者教育協会総会アピール

先に開催した第63回労働者教育協会総会にて採択されたアピールを紹介します。 第63回労働者教育協会総会アピール 大軍拡・戦争への道を許さず、憲法・平和、生活を守ろう!活動家の育成に全力を尽くそう! 国際法・国連憲章違反であるロシアによるウクライナ…

第63回総会

この土日に開催した第63回労働者教育協会の記事が本日付の『しんぶん赤旗』(11面右下)に掲載されました。 ありがとうございます。 ネット配信もあります。 以下、元原稿と写真を掲載します。 ********** 労働者教育協会は6月10・11日、第63回総…

今回の「古典の扉」は『自然の弁証法』

第5日曜恒例、山田敬男会長が執筆する「古典の扉」(『しんぶん赤旗』読書面)。 アップが遅れましたが、今回4月30日(日)に掲載されたのは、エンゲルス著『自然の弁証法』です。 かなりの大著ですが、「弁証法を理解するうえできわめて重要な意味を持っ…

『医療労働』に大石事務局長の論文掲載

日本医労連の月刊機関誌『医療労働』2023年2月号に、労教協の大石達弥事務局長による「基礎的力量の強化が求められる今だからこそ、学習・教育の充実を」が掲載されています。 本稿は、日本医労連2022年組織拡大対策会議(2022年9月8日)での記念講演をも…

山田敬男「学習教育運動の今日的課題を考える」(『前衛』2023年2月号)

発刊したばかりの『前衛』2023年2月号に、山田敬男「学習教育運動の今日的課題を考える─労教協創立七〇年を迎えて」が掲載されています。 本稿は、先に発表した「二〇二〇年代の大衆的学習教育運動の前進をめざして」(「提言」と「労働者教育協会の七〇年…

情勢学習:「国葬」の強行と統一協会との癒着(理事会方針より)

※ブログ掲載にあたり、センテンスごとの改行、パラグラフごとの1行アキ、一部の表現表記をあらためるなどの措置を施してあります。 ********** 《「国葬」の強行と統一協会との癒着》 ○憲法と民主主義に反する「国葬」の強行 参院選の終盤、7月…

情勢学習:国民の支持率の急減と反動的打開の危険性(理事会方針より)

11月13日開催の第2回会理事会にて採択した方針のなかの情勢分析部分を何回かにわたって紹介します。 ブログ掲載にあたり、一部の表現表記をあらためたり、センテンスごとでの改行、パラグラフごとでの1行アキの処理を施していります。 *********…

第2回理事会

11月13日(日)、第2回理事会を開催しました。 本理事会は、6月の第62回総会以降の運動を中間的に検討し、次期総会にむけたとりくみの重点を再確認することを目的に開催しました。 本理事会で深めるべき課題は以下のとおりです。 第1に、参議院選後の激的…