労働者教育協会のブログ

生きにくいのはあなたのせいじゃない。

『学習の友』2026年11月号「特集:階級とジェンダー─立ち上がる非正規労働者とケアワーカー」

 『学習の友』2026年11月号が納品されました。
 来週末か再来週頭には書店に並ぶ予定です。

 今号の特集タイトルは「階級とジェンダー─立ち上がる非正規労働者とケアワーカー」です

 新自由主義のもとで格差・貧困がひろがるなか、女性労働者への抑圧が強まっています。
 とくに女性非正規労働者、ケア労働者の低賃金、そして劣悪な労働実態が重大な社会問題となっています。

 本特集では、上記のようなジェンダー問題を、労働問題、格差貧困との関連で、つまり「階級」の問題としてとりあげます。

 利潤第一主義社会のもとで、ジェンダー差別は、むきだしの階級的支配と結びついておこなわれます。
 加えて資本主義は、生命の再生産コストを圧縮させ、ケアの価値を貶め、ケア労働者の労働条件を切り下げます。
 したがってジェンダー平等の運動は、同時に資本と対決する階級的組織化の運動として展開される必要があります(蓑輪論文)。
 そのためにも、『資本論』、科学的社会主義にもとづくジェンダー解放理論を学ぶことがもとめられます。
 労働時間短縮による自由時間の拡大がジェンダー平等の基礎との認識も大切です(石川、杉井論文)。
 
 公務非正規、会計年度任用職員の労働実態は深刻。
 ここに現代の「階級とジェンダー」 問題が凝縮しています。
 彼女たちの、仕事の誇りと権利拡大を結びつけた運動から学びましょう(愛知自治体一般、心理職ユニオン)。

 福祉保育労群馬支部は、保育労働の専門性を自覚し、地域における事業所の枠を超えた共同の経験を土台にして、横断的賃上げを成し遂げました。
 自身のハラスメント被害を契機に組合に結集、仲間に支えられながら階級的に成長する医療労働者の姿も印象的(愛知県医労連)。
 こうした階級的連帯が、ジェンダー平等を促進します。
 この運動はケアの条件を整備し、勤労者がケアをとりもどす一歩になるでしょう(蓑輪論文)。

 労働組合がジェンダー平等の要求を追求するなかで、階級性が陶冶され、再構築される経験も重要です(齋藤、堅田論文)。

 いまこそ女性非正規、そしてケア労働者の組織化をすすめ、その横断的賃上げ、処遇改善の運動を前進させましょう。

 以下、編集後記です。

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【編集後記】

 本号は、「ジェンダー平等」特集ではなく、あえて「階級とジェンダー」特集としました。
 ジェンダー平等の理念は共有しています。
 そのうえで、ジェンダー問題は階級問題でもあること、両者が重なっている点に注目しました。
 背景には、広範な女性非正規労働者の低賃金、無権利状況、そしてケア労働者の低処遇の問題があります。

 日本社会は、「階級」という言葉を回避する根強い傾向があります。
 その体質は根深く、日本の企業中心社会の構造に基礎づけられています。
 しかし、そうした土壌のうえで「ジェンダー平等」を主張するだけでは、現実の新自由主義下で進行する女性非正規労働者、ケア労働者の抑圧に対抗できないのではないか。
 彼女らを集団的、階級的に組織化することの遅れを強く認識し、その遅れをとりもどすことの必要性という認識から、「階級とジェンダー」というテーマ設定にこだわりました。

 そしてジェンダー平等にむき合うことで、階級概念が豊かにされることもみておきたいと思います。
 今日における階級的連帯は、一枚岩主義ではなく、ジェンダー平等やさまざまな社会的差別を乗り越える視点を深く織り込んだ連帯論に再構築することがもとめられます。

 ジェンダー問題は階級問題であるということの実践的含意は、非正規女性労働者の組織化、そしてケア労働者の横断的連帯・賃上げの必要性と結びつきます。
 そのことぬきに、ジェンダー平等の前進はありえないでしょう。
 この機会にぜひ、読者のみなさんの声をお届けください。(E)

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 定価500円+税

 ぜひ活用・普及をお願い致します。

 ご注文・お問い合わせ・学習相談は下記まで。

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 電話 03-5842-5641
 FAX  03-5842-5645

『学習の友』2026年10月号「特集:職場と地域をつなぐ――暮らしを守り、社会を変える」

 『学習の友』2026年10月号が完成しました。
 来週末には書店に並びます。

今号の特集タイトルは「職場と地域をつなぐ――暮らしを守り、社会を変える」です。

 この夏、熊本地震、千葉の水害などが人びとを苦しめました。
熊本の避難所では、猛暑のなか、冷房がないまま雑魚寝という悲惨な実態が報道されました。
新自由主義による地域社会や公共サービスの破壊、そのうえに襲った自然災害でした(中山論文)。
豪雨などの自然災害の背景には、気候危機が横たわっていることも直視すべきでしょう(稲生論文)。
本号ではさらに、新自由主義政策による医療崩壊、ローカル線の切り捨てなどの諸問題をとりあげています。
地域が急速に崩壊させられつつあります。

 こうしたなかで、地域を拠点に、企業の枠を超える労働運動、そして住民との共同・連帯がもとめられています。
その条件は成熟していますし、現に貴重な実践がはじまっています(栗原論文)。
たとえばローカル線廃止に抗する国労広島地区。
鉄道労働者の仕事の誇りを、住民との対話・共同に結びつける貴重な運動です。
さらに秋田厚生連労組・鈴木さんたちによる、医師不足とたちむかう労働運動、住民運動。
調査と学習で問題の根源を究明、それを土台に政策提言をして、自治体を動かしています。

 アメリカでは住宅をめぐる社会運動、そして職場と地域を結ぶ豊かな労働運動が展開されています。
「労働と生活」を基礎とした社会運動の延長線上に、ニューヨーク市政革新も可能になりました(森インタビュー、齋藤論文)。

 新自由主義の破綻が顕在化するいま、進行する「社会の崩壊」を食い止める民衆運動がもとめられます。そのうえに、問題の根源である新自由主義の変革に一歩でもすすみたいものです。地域を拠点に、労働運動と社会運動を土台にした政治変革への一歩をふみだしましょう。

 そしてそのためにも、ボトムアップ型の運動、「対話と学びあい」の深まりが期待されるのではないでしょうか。
横浜市従のとりくみ、秋田住民運動の学習・調査活動から大いに学びましょう。

 以下、編集後記です。

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【編集後記】

 高市一強政治のもとで、中道改革連合は事実上解体し、三党合流は失敗しました。
高市政治への危機感からとはいえ、安保法制容認、原発容認では、日本社会を変える結集軸にはなりえません。
もう一度、野党共闘の時期に経験した共同の力を再生させる以外に道はないのではないでしょうか。
新自由主義と改憲・軍事大国化を阻む、「もう一つの変革の道」を、労働組合と社会運動がボトムアップ型で、地道に探求すべきです。

 本特集は、そのためのヒントをいくつも提供しています。
大切なのは、労働組合が地域住民と共同して、政治・社会を変えていく方向です。
秋田の地域医療運動は、住民自身による学習・調査を土台に、医師不足の根源である新自由主義を批判しつつ、具体的な政策提言をおこなっています。
そこで培われている住民自治の力に、未来をきりひらく可能性があります。
国労はローカル線廃止に抗し、鉄道労働の社会的意義への確信を土台に、住民との対話・共同をすすめています。
いずれも示唆に富む実践です。
アメリカのダイナミックな社会運動・労働運動の展開からも学ぶべきでしょう。
新自由主義の破綻が顕在化しているいま、政治を変えるためにも、ボトムアップ型の労働運動、社会運動の発展がもとめられています。

 そして、そうした「ボトムアップ」を組合民主主義として真摯に追求している事例の一つが、巻頭カラーの横浜市従のとりくみです。
激動の時代、労働組合には「対話と討論の文化」がもとめられているのです。(E)

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早尾貴紀さん×武田砂鉄さんトークイベント ~「戦争と人間の尊厳 軍拡の時代に本を読む」平和の棚の会/特別企画第2弾

学習の友社も参加している、「積極的平和」をめざす出版社団体「平和の棚の会」のイベントです。

ぜひ多くの参加を。

また、各方面へのカクサンにご協力いただければ幸いです。

 

平和の棚の会ホームページ(トップにイベント紹介あり)
https://heiwanotananokai.jimdosite.com/

 

Peatixイベントページ
https://peatix.com/event/5130642

 

イベントバンク紹介ページ
https://event-ia.com/ja/e/034CtNi9mcJU8gz566ziC8

 

平和の棚の会「X」
https://x.com/heiwanotana/status/2096720099604582740

 

憲法を 「そもそも」 から学び活かす学習交流会(仮称)―学習教育運動セミナー2026

現在、高市政権のもとで人権蹂躙、民主主義破壊、軍拡・改憲をすすめる動きが強まっており、国会外の世論や運動と結びついたたたかいが重要になっています。
こうした情勢のもと、各地ですすめられている憲法学習の経験に学び、日本国憲法公布80周年での憲法学習、改憲阻止の運動をさらにひろげる一助にできればと本セミナーを開催いたします。
私たちの未来を照らす憲法の意義をつかみ、憲法をめぐって熱いたたかいをくりひろげる力にしましょう。
ぜひ積極的なご参加をお願いいたします。(資料代500円)

参加希望者は、事務局へのメール(tomo@gakusyu.gr.jp)または、上掲チラシ画像右下のQRコードにてお申込みください。

※学習教育運動セミナーは、大衆的学習教育運動とは何か、その目的と任務、組織の性格など運動の中心的な問題を学び、職場や地域の実践につなげる場として、また学習教育運動の担い手を育成することを目的としています。
 今回は、進行する大軍拡・生活破壊、そして9条改憲に反対する運動の前進に寄与することを目的にとりくんできた、「憲法・くらし・安保」総学習運動を深めることも目的にしています。

新刊紹介:新船海三郎著『文学に読む日本人権紀行』

人権後進国といわれて久しい日本。

しかし、近現代史は人権獲得と自由のたたかいに彩られ、文学はそれをよく映してきた。

 

本書は、『東京民報』連載をもとにまとめた、そうした文学作品の舞台を訪ね歩いた紀行文集(第1部)とともに、「戦争」をテーマに近年の作品についての評論集(第2部)で成り立っている。

改憲に突きすすむ高市政権とたたかう人びとに贈る、文芸評論家からの熱いメッセージ。

 

本体1600円+税

 

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シニア虐待政治とたたかうための学習講座(10月・全3回火曜夜)

年金受給年齢の繰り下げや医療制度・労働法制の改悪が続き、70歳を過ぎても厳しい労働環境で働き続ける人や経済的困窮を余儀なくされる人が多い。
老後不安から元本保証のない投資に接近し、「NISA貧乏」に陥る青年たちもいる。
わたしたちは、全ての人の文化的生存権が実現される社会を望みます。
その実現のためのたたかいにむけて、三つの講座を準備しました。ご活用ください。
なお、テキストとして、『学習の友』2026年別冊「シニア虐待政治を変える世代間連携の力」を使用します。

秋の山田塾~憲法・平和を真ん中に考える(10~12月・全3回)

 かつて飯田橋で開校していた東京労働学校OB有志を中心に活動している「文化サークルざぶとん」が主催する全3回の学習講座です。

 講師は、労教協名誉会長で現代史家の山田敬男さんです。

 参加希望の方は、チラシ画像内の携帯番号にCメールをお送りください。