労働者教育協会のブログ

生きにくいのはあなたのせいじゃない。

労働者教育運動をめぐる情勢の特徴~総会方針より 国際情勢③中国の覇権主義と台湾問題

(3)中国の覇権主義と台湾問題

 台湾問題の動向は日本とアジアの平和にとって大きな影響を与えます。アメリカは中国の武力統一には「力」で対抗する態度をとり、日本はそれにしたがい、「日本有事」と見なして、アメリカと一体となって「敵基地攻撃」の体制をつくろうとしています。中国は、前回(2017年)の共産党大会の習近平報告では「いかなる形の分裂活動をも打ち破る」と指摘していましたが、「武力行使」に言及していませんでした。ところが昨年10月の20回大会の習近平報告では、「平和的統一をかちとる」としながら、「武力行使の放棄は決して約束しない。一切の必要な措置をとる」とのべています。肝心の台湾の世論調査では、「現状維持」が圧倒的で、「中国との統一」や「台湾独立」は少数に過ぎません。台湾の民衆は香港での中国公約の「1国2制度」が人権蹂躙、言論抑圧に過ぎないことを見ており、中国側の統一の提起に賛成しないのは極めてあたりまえと言えます。

 さらに、この間の南シナ海東シナ海での「力」による現状の変更を追求する態度、核兵器問題でも、核兵器禁止条約に反対し、アメリカに対抗して核大国を追求する政策などに中国の覇権主義大国主義の傾向が顕著になっています。

 その背景には、一つは「世界一流の軍隊を急いで築く」として軍事力強化がすすめられていることです。国民生活より軍事力が優先され、強大な軍事大国化が追求されていることがあります。二つは、急速に経済大国になるなかで、国際社会での影響力の拡大を追求する対外路線があります。中国は2010年に日本を抜き、世界第2位の経済大国になっています。14年には日本の2倍、21年には3倍前後に達し、21年の世界GDP比は18%になり、アメリカの24%に次ぐ経済大国になっています。

 こうした大国化を背景に、2013年に広域経済圏プロジェクト「1帯1路」構想が開始され、すでに140か国、30余国際機関と協力関係を結んでいると言われています。

 こうした世界的規模で強化された軍事力、経済力を背景に、中国の覇権主義大国主義が展開されていることをリアルに見ることが大切になっています。

 

**********

 

祝! 開校55周年!

2023年度・勤労者通信大学受講生募集中!

4月に開校していますが、9月末まで募集をつづけます。

基礎理論コース入門コース労働組合コースの3コースあり。

2023年度の宣伝物(版下)はこちら

受講申込・各種お問い合わせ・学習相談は下記まで。
kin@gakusyu.gr.jp

 

**********

『学習の友』別冊「ジェンダー平等と労働者─職場や地域でどう取り組むか」絶賛発売中!

ご注文・お問い合わせ・学習相談は下記まで。

tomo@gakusyu.gr.jp