労働者教育協会のブログ

生きにくいのはあなたのせいじゃない。

労働者教育運動をめぐる情勢の特徴~総会方針より 国際情勢②アメリカの世界戦略の大転換

(2)アメリカの世界戦略の大転換

 こうした防衛政策の転換の背後に、アメリカの世界戦略の大きな転換がありました。冷戦以降、アメリカは「対ならず者国家」戦略をとっていましたが、2010年代から中国への対決姿勢を鮮明にします。中国の急速な経済的成長と軍事力の膨張、国際社会での影響力の拡大に危機感を強く持つようになります。2014年の「4年毎の国防方針見直し」で中国への対決方針を打ち出し、アジア回帰と中国に対する軍事的包囲を開始します。具体的には、2018年にトランプ政権が承認した「インド太平洋における米国の戦略的枠組み」のなかで、インド太平洋地域でのアメリカの目標は、中国の新たな「勢力圏を確立するのを防」ぐことであり、中国との正面からの対決を打ち出しました。そして、中国の台湾への武力行使による統一強要の危険性を指摘し、米中間の武力衝突も想定しています。その場合、重視されるのがフィリピンから台湾、沖縄をはじめ日本の南西諸島などの「第1列島線」です。この「第1列島線」が主戦場と位置づけられ、中国の「侵攻」をくいとめる阻止ラインとされています。この構想では、「第1列島線」に沿う沖縄をはじめ日本の南西諸島が戦場とされ、自衛隊の参戦が大前提になっています。

 重要なことは、こうしたアメリカの世界戦略の転換の中で、日米同盟の新たな段階が訪れていることです。2021年4月に おこなわれた菅首相(当時)とバイデン米大統領の首脳会談後に発表された共同声明で「台湾海峡の平和と安全の重要性」が強調されます。共同声明で「台湾」 が明記されるのは、52年ぶりのことです。これは、台湾有事の際に、集団的自衛権を行使して、自衛隊が参戦することの約束だったのです。そのために、昨年 5月23日のバイデン米大統領と岸田首相の首脳会談で「日本の防衛力を抜本的に強化し、その裏づけとなる防衛費の相当な増額を確保する」ことが約束されました。その具体化として昨年12月に「安保3文書」が閣議決定され、国会での審議より前にアメリカに報告されたのです。それが今年1月の訪米と日米首脳会談(1月13日)でした。発表された共同声明には「日本の反撃能力及びその他の能力の開発及び効果的な運用についての協力の強化」が明記されています。アメリカの「アジア・インド太平洋戦略」に組み込まれ、アメリカの指揮の下で、アメリカと融合し、集団的自衛権の行使として「敵基地」を先制的に攻撃するというのです。

 アメリカのの世界戦略に従い、アメリカの中国敵視政策に同調するなかで、改憲派の悲願である軍事大国化が急がれています。この道は、日本経済の見通しがないなかで、大軍拡の財源をめぐって大軍拡の財源をめぐって国民のくらしの破壊を不可避とします。あらためて、大軍拡と改憲、くらしの破壊のおおもと日米同盟=日米安保があると言わざるを得なくなっています。

 

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