労働者教育協会のブログ

生きにくいのはあなたのせいじゃない。

労働者教育運動をめぐる情勢の特徴~総会方針より 国内情勢②日本経済の衰退と国民生活

(2)日本経済の衰退と国民生活


 1990年代から今日までのおよそ30年間に経済力の激的衰退が始まっています。世界の GDPに占める日本の割合は、1995 年に17.6%に高まった後、2010年に8.5%になり、国際機関の予測では2020年に5.3 %、2040年には3.8%まで低下するとされています 内閣府 。この1年間は、日本経済の衰退が顕在化した年でした。それは複合的な構造的要因からなっています。


実体経済の衰退〕

 長期的には日本経済は1990年代初頭のバブル崩壊以降、実体経済の停滞が続いてきました。設備投資は停滞、賃金低下に伴う個人消費の停滞、そして輸出も総量も伸びませんでした。
 グローバル競争の激化、新興資本主義諸国の台頭のなかで、日本の高度成長を支えた家電産業の敗北も日本資本主義没落の典型的な事例でした。


新自由主義政策の帰結新自由主義政策の帰結〕

 こうした実体経済の状況をさらに悪化させたのが新自由主義経済政策でした。非正規を増大させ、リストラ合理化を促進してきました。その結果、非正規は4割、日本の労働者の賃金が1997年以降、下がり続けてきました。注目すべきは家計補助型非正規だけではなく、自活型非正規が大きく降、下がり続けてきました。注目すべきは家計補助型非正規だけではなく、自活型非正規が大きく増大していることです。これは消費購買力、国内市場をさらに縮小させ経済停滞を加速させました。


〔異次元金融緩和政策の破綻異次元金融緩和政策の破綻〕

 加えて2012年以降のアベノミクス異次元金融緩和の否定的影響が矛盾を拡大させています。超年以降のアベノミクス異次元金融緩和の否定的影響が矛盾を拡大させています。超低金利政策により、円安株高誘導がなされ、輸出大企業にとって濡れ手で粟の儲けにつながりまし低金利政策により、円安株高誘導がなされ、輸出大企業にとって濡れ手で粟の儲けにつながりました。しかしそれは、大企業の儲けにとどまり、中小企業や労働者にまでトリクルダウンすることはありませんでした。
 この間の世界的な資源価格高騰、物価高の影響のもと、円安誘導政策は、さらなる輸入価格高騰に帰結、それが中小企業経営を圧迫しました。同時に2022年以来の消費者物価高騰に連動しています。にもかかわらず黒田氏から後退した日銀総裁植田和男氏はま「異次元の金融緩和」を引き継ぐことを明言。混迷が深まっています。


中国経済停滞の影響中国経済停滞の影響〕

 2010年代以降、グローバル化によってアメリカに次ぐ世界第二の経済大国にのし上がった中国への半導体製造装置の輸出が日本の実体経済を部分的に支えていましたが、この間の米中経済摩擦、そして不動産バブル崩壊に伴う中国経済の低迷を受けて、その方面でも壁にぶつかっています。日本にとって大きな輸出市場であるアメリカも中国も両方経済停滞に見舞われており、日本資本主義本にとって大きな輸出市場であるアメリカも中国も両方経済停滞に見舞われており、日本資本主義の国際環境はさらに悪化している状況です。
 この1年は、上記の諸矛盾が顕在化した点、つまり日本資本主義の没落状況が目に見える形で表面化したことが大きな特徴でした。産業衰退が基礎にあり、未来の基軸産業が展望できていないことも日本資本主義の閉塞を示しています。再生可能エネルギー転換を契機としたグリーン産業を育とも日本資本主義の閉塞を示しています。再生可能エネルギー転換を契機としたグリーン産業を育成しているヨーロッパ諸国と比較すると、日本資本主義の閉塞は極まっていると言わざるを得ません。
 そうした状況が、労働者の貧困化をさらに深刻化させているのが今日の事態です。物価高は労働そうした状況が、労働者の貧困化をさらに深刻化させているのが今日の事態です。物価高は労働者だけではなく、勤労各層に深刻な影響を与えています。
 一過性の政策的対応だけではこの閉塞から脱却することはできません。資本主義の民主的計画的コントロールが求められている情勢です。

 

**********

 

祝! 開校55周年!

2023年度・勤労者通信大学受講生募集中!

4月に開校していますが、9月末まで募集をつづけます。

基礎理論コース入門コース労働組合コースの3コースあり。

2023年度の宣伝物(版下)はこちら

受講申込・各種お問い合わせ・学習相談は下記まで。
kin@gakusyu.gr.jp

 

**********

『学習の友』別冊「ジェンダー平等と労働者─職場や地域でどう取り組むか」絶賛発売中!

ご注文・お問い合わせ・学習相談は下記まで。

tomo@gakusyu.gr.jp