労働者教育協会のブログ

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イデオロギー闘争と学習内容上の課題~総会方針より ③アジアとの連帯に向けて――歪められたアジア認識の克服の課題

(3)アジアとの連帯に向けて――歪められたアジア認識の克服の課題

 アジアとの連帯をすすめるうえで、避けられないのが日本の近現代史における侵略と植民地支配に対する反省です。日本では第二次世界大戦の日本の戦争と植民地支配が誤りであったという国民的合意が成立していません。とくに自民党の主流は、日本の戦争やかつての植民地支配を肯定し、それに至る近代の戦争も容認する立場に立っています。国際社会の常識に逆行する異様な歴史認識といえます。

 日本ではどうして過去の侵略戦争と植民地支配に関する歴史認識の国民的合意が成立していないのでしょうか。

 第1に、国家の最高責任者であった昭和天皇の戦争責任が曖昧にされたことです。戦争終結時の国際社会における昭和天皇への戦争責任追及は厳しく、東京裁判の免責はアメリカの高度の政治的判断の結果でした。天皇の政治利用が日本統治に必要という判断です。そのため、国家の最高責任者であった天皇の責任は追及されず曖昧にされます。このことが、戦後日本社会の「過去の克服」が遅れている最大の要因でした。

 第2には日本が日米安保体制に組み込まれることによって、日本の戦争責任の議論が抑えられてしまったことです。冷戦のなかで、日米安保体制が成立し(1952 年)、日米安保体制を優先する保守政治がおこなわれてきました。1950~60年代、アメリカは中国敵視政策をとっており、その影響が日本社会に浸透し、日本の侵略の最大の被害国である中国への責任を深めることが希薄になってしまったのです。対米関係というレンズを通してアジアを見る傾向が強くなり、日本とアジアの歴史的関係を深める議論が抑えられてしまったのです。

 第3には、1990年代に歴史修正主義が登場し、安倍内閣の時代になると、「歴史戦」が政府の「戦略的対外発信の取組」と位置づけられます。「慰安婦」問題、徴用工問題、南京虐殺問題等に見られるように歴史を歪曲し、侵略と植民地支配を正当化します。

 日本帝国主義の侵略や植民地支配を批判すると「反日」とレッテルを張られ、自由な議論が抑えられました。侵略と植民地支配の歴史的事実に正面から向き合うことを避け、戦前の帝国主義の日本を“美しい国”として正当化しました。メディアが最大限に利用され、国民に一定の影響を与えています。

 日本の戦争責任と植民地支配への反省を抜きに、アジアとの連帯を深めることはできません。

 

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