労働者教育協会のブログ

生きにくいのはあなたのせいじゃない。

イデオロギー闘争と学習内容上の課題~総会方針より ⑨青年の動向をどう見るのか

(9)青年の動向をどう見るのか

 物価高やコロナ禍で労働者の生活維持の厳しさが増している状況のなかで、青年を取り巻く環境も、よりいっそう不安定さを強めています。職場環境や賃金の改善がなされない現状、みずからの将来像が見通せない不安、社会保障への信頼と期待も弱く、全体として政治への関心は高まっていない現状があります。若者の投票率は低調です。この間の新自由主義的攻撃のなかで、青年たちから社会性が奪われているのです。

 いっぽう、気候危機問題や、LGBTQの課題、ジェンダー平等への関心は青年層のなかで高い傾向があります。社会にたいして自分も何か役立ちたいと思っている青年は少なくありません。ただ若い世代に深く浸透している自己責任論の考え方の影響、また身近に参加しやすい運動・組織がなければ、実践に踏み出すことは容易ではない環境におかれていることも事実です。変えられるという展望と、「動いたら変わった」という成功体験が欠かせません。科学的社会主義の理論を学ぶ機会が身近にあること、ともに声をあげてくれるロールモデルとなる先輩がいて、運動や組織が目に見えやすい形であることが大切です。閉塞感が強いからこそ、それを打開できる道をつかんだとき、青年の生き方は大きく変わっていきます。重要なことは、新自由主義のもとで政治や社会に距離を置く傾向とそれから抜け出す新しい青年たちの傾向とのせめぎあいが始まっていることです。このせめぎあいのなかで、新しい運動を組織するために配慮すべき課題があります。

 社会認識を育てるうえでの情報収集方法としては、圧倒的にインターネット、とくに SNSやユーチューブなどの動画配信からの情報が多くの比重を占めています。したがって青年層をめぐる思想闘争
では、こうした媒体のなかにも、私たちの運動が見える化されなければなりません。支配層は、ネットや SNS での思想支配を戦略的・継続的におこなっています。率直に言って私たちの運動はおおきく立
ち遅れている現状があります。真実に出会うきっかけとなる機会をつくるためにも、次の深い学びへの導きのためにも、こうした媒体での発信、情報流通が欠かせなくなっています。

 

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