情勢学習:国民の支持率の急減と反動的打開の危険性(理事会方針より)
11月13日開催の第2回会理事会にて採択した方針のなかの情勢分析部分を何回かにわたって紹介します。
ブログ掲載にあたり、一部の表現表記をあらためたり、センテンスごとでの改行、パラグラフごとでの1行アキの処理を施していります。
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《国民の支持率の急減と反動的打開の危険性》
情勢は、私たちの予測を超えて激的に推移しています。
7月の参院選で改憲派が国会発議に必要な3分の2以上を確保し、衆議院とあわせて国会発議が議席のうえでは可能になりました。
事態の深刻さをリアルに受けとめることが必要です。
しかし、改憲派が3分の2の議席を獲得し、自民党の「大勝」といっても、国民の支持が増大したわけではありません。
自民党の絶対得票率は2割にも達していません。
改憲派の「勝利」は、改憲派の強さより、さまざまな逆流と分断攻撃のなかで、野党共闘の大きな後退によるものといえます。
事態はきわめて流動的といえます。
そのなかで、安倍銃殺事件にともなう「国葬」の強行、さらには統一協会と安倍元首相や自民党のとの歴史的な癒着関係が表面化しています。
内閣の独断で「国葬」を強行した岸田内閣の政治姿勢への不信が強まり、統一協会の問題では、統一協会との根深い構造的な癒着という自民党政治の隠されていた実態があかるみになりつつあり、国民に衝撃を与えています。
「国葬」問題ではきちんとした国民への説明を避け、統一協会問題ではあかるみになる自民党との癒着問題にむ向き合わず、逃げまくっている岸田政権への不信が強まり、内閣支持率がついに危険水域といわれる20%台に落ちこんでいます。
この支持率の大幅な後退の背景には、異常な円安のもとでの物価高騰や社会保障の負担増による生活への深刻な不安があることはいうまでもありません。
岸田政権は、時間をかけて事態の沈静化をはかり、事態を反動的に打開し、安倍政権ができなかった改憲と軍事大国化にむけて大きくふみだそうとしています。
彼らは、ウクライナ危機のもとで、危機感をあおり、改憲に先行して敵基地攻撃のための軍備大増強を強行し、軍事大国化に向けて既成事実をつくりあげようとしています。
私たちが注意しなければならないのは、国民のなかで、これを容認する傾向が増大していることです。
また自民党の改憲4項目を認める傾向も強くなっています。自衛隊を明記するだけで、何も変わらないという改憲派の主張がある程度浸透していることを直視する必要があります。
このように、岸田政権への不信の高まりと軍拡などを容認する傾向の矛盾を抱えながら、国民は政治の正常化、平和と民主主義を深部でもとめています。
この矛盾にむき合い、国民の深部の願いに対応する私たちの運動のあり方が問われています。
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