労働者教育協会のブログ

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情勢学習:急速な物価高騰と生活破壊―労働組合に入って賃上げを(理事会方針より)

 ※ブログ掲載にあたり、センテンスごとの改行、パラグラフごとの1行アキ、一部の表現表記をあらためるなどの措置を施してあります。
 

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 《急速な物価高騰と生活破壊―労働組合に入って賃上げを》

 急激な物価高騰が労働者と国民の生活を直撃しています。総務省が発表した9月の消費者物価指数(2020年=100)は、価格変動の大きい生鮮食品を除く総合指数が102.9と前年同月比3.0%上昇しました。
 上昇率は消費税増税が影響した2014年度を除けば、1991年8月(3.0%)以来、31年ぶりのことです。
 ウクライナ危機を背景とする資源高に急速な円安が重なり、電気・ガス代・食料品が一段と高騰しています。なかでも、光熱・水道は14.9%、食料は4.2%も上昇。食用油は37.6%、サケは26.8%、食パンは14.6%上昇しました。
 急速にすすむ円安が輸入物価の高騰に拍車をかけ、国内に波及し、物価上昇の大きな要因になっています。
 年初と比べると約25%の円安水準で、主要国のなかで円は突出して安くなり、独り負けの様相を示しています。

 この最大の原因は、安倍内閣時代からの「異次元の金融緩和」政策にあります。
 政府と日銀は破綻しているにかかわらず、「異次元の金融緩和」の維持を決定しています。
 各国の中央銀行が物価抑制のために金融引き締めに転換しているなかで、金融緩和に固執する日銀の政策が円売りを招いています。
 円安は輸入物価の高騰に拍車をかけ、輸入代金の増大が円売りドル買い圧力となり、円安に拍車をかける悪循環に陥っています。

 こうした物価高騰の生活苦のなかで、4月から年金が引き下げられ、10月から後期高齢者医療制度の窓口負担(現在原則1割)にはじめて2割負担が導入されました。
 生活をまもることがきわめて重要な国民的課題になっています。
 物価高騰から国民の生活をまもるには、部分的対応でなく消費税5%への減税にふみきることがもとめられます。
 そして何よりも、賃上げが重要になります。
 経済協力開発機構OECD)によれば、日本の実質賃金は1990年のバブル経済の崩壊以降、ほとんど伸びず横ばい状態です。

 世界各国の賃金は、アジア通貨危機リーマン・ショック、コロナ禍のなかでも基本的に増大しています。
 これから23春闘がはじまります。この時期だからこそ、あらためて賃金闘争の意味を議論し、本格的な賃金闘争が必要になります。
 その意味で、労働組合の存在理由が問われてきます。労働組合に入って賃上げをという働きかけが必要です。
 非正規労働者やケア労働者をふくむすべての労働者の賃上げを労働組合に結集して実現する運動がいまほどもとめられているときはありません。

 

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