『学習の友』2022年6月号掲載の文章を転載します。
漢字とかなの統一など、体裁上の問題で一部修正してあります。
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《勤通大3コースのススメ》
確信を持って労働組合活動を前進させるには、勤労者通信大学受講が不可欠
労働者教育協会常任理事(JMITU顧問) 生熊茂実
◆壁にぶつかった時に大事なこと
みなさん、ときどき「こんなに一所懸命やっているのに、協力してくれる仲間が増えない」、「がんばってもなかなか成果が見えない」と考えるときはありませんか。私は長い間労働組合活動をしてきましたが、「がんばって活動していた若者が、いつの間にか、いなくなった」、また「仲間を説得できない」などと自信を失いそうになる仲間を見てきました。あらためて、労働組合活動に確信を持ち続け、前進させるためには、どんなことが大事なのか考えてみます。
こんな経験があります。JMITU組合員が圧倒的少数での職場では、定年後再雇用者の賃金が月17万0100円」と、きわめて低い状態でした。しかも62歳にならないと厚生年金の一部支給が出ないように改悪されていたときでした。「退職金を取り崩さなければ生活できない」というほどの低賃金です。ところが「再雇用は個別契約」などと経営者に言われ、組合員でさえ賃上げをあきらめていました。
私はそれを聞いて、①こんな低賃金では、「定年後再雇用者の賃上げ」が第2組合員をふくむ再雇用者の圧倒的な要求になること、②この再雇用者賃金は、地域のJMITUのなかでも最低であること、③厚生年金の一部支給が出なくなる前に決められた賃金であり、制度矛盾が明確であることなどから、絶対に大幅賃上げが実現できると励ましました。そしてJMITUの「産別交渉」で経営者に迫る支援をおこなった結果、一挙に3万円賃上げを実現しました。その後も、さらに1万円引き上げるという結果もつくっています。ことしの春闘時には、この職場で第2組合員から「JMITU組合員がいるから会社もある程度の賃上げ回答をする、ありがとう」と言われるまでになりました。
◆法則をつかめば可能性は広がる
多くの仲間が、こういう事実を知っていたのに、なぜとりくまなかったのだろうか。私は、単に労働組合活動を積み重ねているだけでは踏み切れなかったのだと感じました。再雇用労働者の生活や仕事上での矛盾をしっかり分析し、非組合員もふくめて大きな団結がつくれる、社会的にも大きな支持がえられるという確信をつかめなかったからなのだと思います。
社会と職場の矛盾と動きをしっかり分析する「分析力」、そして、大衆運動や職場世論への確信を持つ理論の力と結びついたからできたのだと思います。ものごとは固定的でなく動き続けているという哲学的なものの見方、うまくいかないことは多いけれど、運動すれば、ある期間の後には、必ず社会や経営者を動かすという階級闘争の理論などが土台にあって生まれた確信です。それが運動することによって成功し結実したものだと言えます。
労働組合運動でも社会運動でも、うまくいくことは、そんなに多くありません。しかし「法則」を身につければチャンスをつかめる可能性は大きく広がります。ジグザグの道ではあるけれど、長い目で見れば必ず前進します。労働組合活動家には、ぜひこういう確信を持ってほしいのです。そのためには社会の根底の流れを体系立てて学習できる勤労者通信大学で学ぶことが不可欠です。
◆勤通大学習にぜひ挑戦してほしい
勤労者通信大学には、「入門コース」「労働組合コース」「基礎理論コース」の3つのコースがあります。入門コースは社会のしくみを学ぶ入口です。労働組合コースは労働組合運動の原則や基本を系統的に学び、全労連「わくわく講座」とつなげて学べます。基礎理論コースは資本主義社会のしくみや矛盾の解決方向を体系的に学びます。3コース一体に学ぶことで、社会を変える展望を深くつかめます。みなさんの関心に合わせて、ぜひ挑戦してほしい、そう強く願っています。
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各コースの詳細につき、この間ブログにアップしてきた記事ののリンクをあらためてはっておきます。
ウェブサイトにアクセスしていただければ、入学案内リーフなど各種資料がダウンロードできますし、申込フォームもあります。
また、スクーリング動画(2020・2021年度)もありますので、ご活用ください。
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