安倍政権が当初、成長戦略の中核として掲げた「女性活躍」。待機児童の解消や、今春施行された女性活躍推進法など、いずれも看板倒れの感が否めない。労働団体がこのほど開いた会合では、「ほとんど効果がない」「小手先のごまかし」などの厳しい批判が相次いだ。
●安心して働ける環境を
女性をめぐる政策で、最初に示されたのが「生命と女性の手帳」案。30代半ばまでの妊娠・出産を奨励する内容だったが、非正規雇用や待機児童問題など少子化の主因に目を向けないことなどに批判が殺到し、廃止に。「3年間抱っこし放題」と銘打たれた、育児休業の3年への延長も、労働者の権利拡充ではなく、助成金をえさに企業に要請する内容。有給の保障もない。
待機児童問題では、詰め込み保育などの問題を抱える民営化を推進。代替策の一つである外国人家事支援事業の導入は、劣悪な無権利労働が懸念される。安心保育にはほど遠いのが現状だ。待機児童数は今年、2年連続で増加した。
竹信教授は「安心をどうするかを強く主張していく必要がある。私たちは活躍するために生きているのではない。安心して楽しく暮らせるための改革でなければならない」と語った。