日本共産党の志位委員長は19日午後、《「戦争法(安保法制)廃止の国民連合政府」の実現をよびかけます》という文書を発表しました。
戦争法強行成立の余韻が冷めないうちにこのような提起がなされたことに、各方面で反響を呼んでいます。
戦争法強行成立の余韻が冷めないうちにこのような提起がなされたことに、各方面で反響を呼んでいます。
志位さんの記者会見を読んで思うのですが、記者たちは「政党・団体・個人」に呼びかけるということの意味がわかってないのではないか、という気がしています。
記者たちはもっぱら政党との関係ばかり質問しています。
小選挙区効果も大きいですが、日本では政治といえば政党間関係のみを突出させた理解が主流で、団体や個人はプレッシャー・グループという二次的な位置づけでしか受け止められていないような感じがします。
中選挙区時代からもともとそういう傾向が強かったのが、小選挙区が「定着」することでますますそういうドグマに陥っているのではないでしょうか。
同時に、もちろん政党の組合せは大事ですが、政党間関係を後景に追いやるような統一戦線論の理解のしかたも少なからず見受けられるような気がします。
今回の共産党の提起を正しく理解するためにも、日本における統一戦線の展望についてどう考えたらいいのか、という基本的な問題を土台におく必要があると感じています。
勤労者通信大学基礎コーステキストより、該当箇所を紹介しますので、参考にしてください。
勤労者通信大学基礎コーステキストより、該当箇所を紹介しますので、参考にしてください。
《いま日本の統一戦線を考えるうえで、重要な問題があります。それは、統一戦線の出発点を政党の組み合わせにおくのではなく、共通の要求、共同の意志をもつすべての勢力の共同行動を組織することです。政党の共闘は、かつては、社会党、共産党の共闘を軸におこなわれ、革新自治体の経験からもわかるように、重要な意味をもつことはいうまでもありませんが、……社会党が変質し、統一戦線を重視する政党が共産党のほかに存在しなくなっています。したがって、政党の組み合わせばかりにこだわると統一戦線を展望できなくなります。大事なことは、共通の課題、当面の緊急の課題は何か、また社会発展の現在の段階はなにを求めているのか、ということを出発点にして、共同の意思のある政党、団体、個人などすべてを結集する努力を追求することです。》
《いま重要なことは、……「一点共闘」のよりいっそうの発展をめざしながら、これらの運動を合流させる新しい国民的共同、新しい統一戦線をめざすことにあります。どの「一点共闘」も、その要求を根本的に解決するには、大企業中心・アメリカいいなりの政治の壁にぶつからざるを得ません。この2つの弊害(大企業中心・アメリカいいなりの政治)をとりのぞくには、統一戦線の力以外にありません。社会変革をめざす持続的な共同闘争の体制=統一戦線を結成することによって、支配勢力は孤立し、革新勢力と社会変革の運動が飛躍的に前進することになります。》
《こうした国民的共同=統一戦線をめざす長期のねばり強い運動のなかで、統一戦線結成の条件をつくりあげ、やがて日本社会に統一戦線を重視する諸政党が生まれ、政党の共闘も可能になることでしょう。》
※下線部は引用者による。
共産党もそうだと思いますが、勤通大は、統一戦線の出発点を、「共通の要求、共同の意志」においています。
政治ですから、現実的には政党間関係のもつ比重が高くなることはまちがいありませんが、この間の戦争法案反対運動、またそれ以前からの反原発運動や秘密保護法反対運動などをみても、国民個々人がそれぞれの意志にもとづいて声をあげるようになっているのが1つの重要な特徴であることもふまえれば、政党だけでなく、個人や団体も統一戦線の対象としていることはきわめて重要です。
政党の具体的なあり方も、結局は国民の声を無視はできないわけですから、政党・団体・個人の有機的関係を正しく理解することが、統一戦線の発展にとって欠かせないということを、きちんと理解することが大切なんだと思います。
大事なことは、政党間関係のみを突出させるのではなく、かといって政党間関係を軽視するのでもなく、「共通の要求、共同の意志」を土台とした統一戦線論全体のなかでの政党間関係をきちんと位置づけることです。
共産党の提起を受けて、今後の運動をどう発展させるかについて、建設的で活発な議論がなされ、実践されていくことを期待しています。 〈Y〉
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安倍戦犯内閣打倒!