労働者教育協会のブログ

生きにくいのはあなたのせいじゃない。

歴史的たたかいの勝利をめざして(山田会長のアピール)

 会報154号の発送に合わせて、山田敬男会長が以下のアピールを発表しました。
 会員・賛助団体むけですが、本ブログにも掲載します。

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歴史的たたかいの勝利をめざして
―学習教育運動の存在意義が問われている

2016年2月29日 労働者教育協会会長 山田敬男


 会員のみなさん、賛助団体のみなさん。
 日ごろのご活躍に敬意を表します。
 情勢は急激な展開をみせています。

 去る2月19日、5野党党首の間で選挙協力の合意がおこなわれました。
 それは──

 ①安保法制の廃止と集団的自衛権行使容認の閣議決定撤回
 ②安倍政権の打倒
 ③現与党およびその補完勢力を少数に追い込む
 ④国会、国政選挙などあらゆる場面でできる限りの協力をおこなう

 という画期的な合意です。
 それをふまえて、2月23日に書記局長、幹事長の会談がおこなわれ、選挙協力の協議がスタートしました。
 こうした国政レベルの野党の共闘は戦後初めてのことであり、これまでの選挙闘争のあり方とはまったくちがう構図を示しています。
 この中央における選挙協力の合意が32の1人区で具体化されるならば、「現与党およびその補完勢力を少数に追い込む」可能性が生まれてきます。
 予想を超えるわくわくするような大激動が生まれつつあります。

 こうした大激動は、昨年の戦争法反対闘争の空前の盛り上がりと「野党は共闘」という世論の「力」によるものといえます。
 その意味でも、あらためて戦争法反対闘争の歴史的意味をふりかえることが重要です。
 それは、市民運動と労働運動、革新的政党との新しい関係-対等平等の水平的な国民的共同が実現したことにあります。
 その特徴をみると、第一に、既存のほとんどの護憲勢力を結集した「総がかり行動実行委員会」が結成され、国民的共同の受け皿として大きな役割を果たしたことです。
 国民的共同を土台で支える共同組織が生まれたのです。

 第二に、そのうえに、SEALDs(自由と民主主義のための学生緊急行動)、若者憲法集会実行委員会、「安保関連法案に反対するママの会」「安保関連法案に反対する学者の会」などの広範な市民運動が大きく発展し、創意的運動を展開したことです。
 こうした「総がかり行動実行委員会」の運動と創意的な市民運動が合流し、空前の国民的共同を生みだしたのです。

 第三に、大事なことは、この国民的共同が新しい社会運動の質をつくりだしていることです。
 運動参加者の1人ひとりが自分の意思で参加し、自分の言葉で怒りを表現し、自分の足で行動に立ち上がっています。
 ここには主権者としての自覚が深く成熟し始めていることが示されています。
 60年代、70年代は革新統一による政治変革が追求されていましたが、今日においては、革新統一を土台にしながらも、その枠を大きく超える国民共同の「力」で政治を変えることが模索されています。
 革新統一から国民的共同へと統一戦線運動が歴史的に発展しているともいえます。


 私たちは、安倍内閣の危険な政治的な野望を軽視してはならないと思います。
 強行成立した戦争法を確実に施行することをめざしながら、いよいよ明文改憲にむけて大きく動き出そうとしています。
 この意味で、7月に予定されている参議院選挙の結果が重大な意味をもってきます。
 安倍内閣は、明文改憲に向けて3分の2以上の議席の確保に全力をあげています。

 安倍首相は、一貫して、「戦後レジームの打破」によって、美しい国日本=強い日本の実現を強調してきました。
 戦争法の強行の背後には、この政治的野望が存在しています。この野望の危険なねらいが昨年(15年)4月27日に締結された新しいガイドラインに示されています。
 ガイドラインでは、「アジア太平洋地域およびこれを越えた地域」で、「切れ目のない日米共同の対応」が必要であり、日米両国が世界の安定のために「主導的役割を果たす」と宣言されています。
 世界中での「切れ目のない」対応が必要であり、アメリカとともに日本が「主導的役割を果たす」という大国化宣言がなされています。
 日米同盟と憲法の矛盾がもはや限界を超えています。
 この矛盾を反動的に解決するために、安倍内閣は明文改憲に全力をあげているのです。

 こうした安倍内閣の危険性とともに、同時にその脆弱性をみることが重要です。
 安倍自民党衆議院で291議席を占め、メディアは、自民党を「1強」と描いていますが、実態を見るとこの評価は正確ではありません。
 2014年の総選挙における自民党の絶対得票率(有権者全体における得票割合)は17%に過ぎません。
 自民党結成直後の1958年の総選挙での自民党の絶対得票率は44・17%で有権者の半数近くが投票していました。
 いまは、5人に1人の支持も得ていません。
 それなのにこれだけの議席を確保しているのは小選挙区制の効果に他なりません。
 この意味で安倍内閣の基盤はきわめて脆弱といえます。

 世論調査などにおける安倍内閣の支持率の高さは、よく指摘されているように、野党第1党の民主党の弱さであり、野党が連携していないことの結果ともいえます。
 しかし、7月の参議院選挙に向けて、「野党共闘」の可能性が生まれています。
 これが現実のものになり、国民から受け皿になると認められるならば、政治が大きく変わることは確実です。


 この歴史的チャンスを生かすカギを握るのは、国民的共同の運動と世論の 高揚です。
 この「力」で32の1人区において「野党共闘」を実現させる必要があります。そのためにも、いまとりくまれている2000万人「統一署名」を成功させなければなりません。
 限られた時期のとりくみですが、1人ひとりと対話をしながら、精力的な署名運動の前進によって政治を変える必要があります。
 2000万人を超える署名が集まるならば、その力で、7月の参議院選挙で「現与党およびその補完勢力を少数に追いこむ」ことが充分可能です。


 いま学習教育運動の存在意義が問われています。
 この歴史的たたかいに参加し、このたたかいにいかに寄与するかを大いに議論しなければなりません。
  『学習の友』3月号は、2000万署名の特集を組んでいます。
 2000万人署名運動を成功させるために大いに活用していただきたいと思います。
 また、私たちは勤通大の募集活動に全力をあげています。
 ぜひ憲法コースの受講を呼びかけ、明文改憲のたくらみを打ち破るために2000万人署名運動の成功の学習と議論を大いに組織していただきたいと思います。
 さらに、いまの激動の情勢のなかで、確信をもって社会変革と労働運動の発展を担う活動家を育成するために、基礎コースと労働組合コースの成功と、『学習の友』の普及・学習会活動のためにも、大いにご奮闘願いたいものです。


 この間の国民的共同の運動がこの激動的な情勢をつくりだしていることに確信を持ちながら、7月の参議院選挙での勝利に向けて、悔いのない学習教育運動を進めようではありませんか。
 2000万人署名運動の成功と政治変革の可能性に確信を深めるための学習と討論を、大いにすすめていきましょう。


 労働者教育協会もこの歴史的情勢のなかで、力の限り奮闘することを決意しております。
 皆さん、私たちがつくりだしたこの歴史的チャンスに真正面からむきあい、政治を根本的に変革するためにともにたたかいましょう。

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 2000万署名運動の成功に寄与するために、『学習の友』3月号2000万署名特集の普及と活用を兼ねた学習会の開催、そしてそれと結びつけた勤通大募集(とくに憲法コース)の成功にむけたとりくみを大きく前進させよう!

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