《共闘における弱点の克服─社共が対等・平等の統一戦線へ》
共産党が幹事団体会議へのオブザーバー参加だったという弱点をもってはいましたが、安保共闘は戦後はじめて社会党と共産党が中央段階で持続的に共闘した統一戦線組織であり、史上空前の大闘争となった安保闘争において中心的・指導的な役割をはたしたのです。
共闘における弱点が克服されたのは、1960年代後半から70年代前半にかけての革新自治体のひろがりと、それを支えた社会運動の発展過程においてです。
とくに67年の東京都知事選挙での共闘が大きな意味をもちました。
この都知事選型共闘=「明るい会方式」が次第に全国にひろがり、67年に共産党を与党にふくむ革新自治体が52であったのが、77年には200に増え、革新自治体で生活する国民は、同じ10年間に約500万人から約4830万人、総人口の43.1%へと飛躍的に増加することになったのです。
これらの「一点共闘」の背景にはすべて、支配の岩盤としての日米安保が深くかかわっています。
ですから、「一点共闘」の前進を本格的な国民的共同=統一戦線として発展させていくためには、安保学習を大いにひろげ、安保をなくし、憲法を活かした安心・安全の日本社会を気づいていくための担い手=“安保と憲法に強い活動家”を大量に育成していくことが重要です。
同時に、統一戦線(運動)の到達点と課題を、統一戦線の原点に立ち返りながら明らかにしていくことも欠かせません。
60年安保闘争を統一戦線の視点から学び直すことは、このような現代的課題にとっても大きな意味をもっています。
連載はこれで終了します。
2012年度は9月末まで受講を受け付けます。
受講申込・資料請求は勤労者通信大学までお願いします。
E-mail:kin@gakusyu.gr.jp
電話03-5842-5644
FAX03-5842-5645