労働者教育協会のブログ

生きにくいのはあなたのせいじゃない。

加害者になる危険についての視点の弱さ

 戦争法案にたいする“違憲包囲網”がひろがるなか、13日(土)の『しんぶん赤旗』に掲載された「紛争地から見る戦争法案」というインタビュー記事が掲載されています。
 安倍首相が戦争法案推進の理由の1つとして民間の国際人道支援活動に危険がおよぶことをあげていますが、これにたいする紛争の現場を知る2人から「かえって危険だ」という反論がなされています。
 実にタイムリーです。

 このうち、フォトジャーナリストの安田菜津紀さんのインタビュー中の、下記の発言は注目に値すると思いました。


 《私と同世代やさらに若い高校生・中学生の中には「隣国から攻撃されたらどうするのか」ということから戦争法案に賛成するひともいるようです。しかし集団的自衛権の行使の一番の問題は、イラク戦争に日本が参加し、日本人が侵略の加害者になるかもしれないということです。加害者になる危険についての視点の弱さは、日本人が過去の侵略戦争でアジアの国々、そこに住む人々に何をしてきたのかを学ぶ機会が少なかったからではないでしょうか。》

 「加害者になる危険」についての想像力を働かせることは、戦争を防ぐ大きな力になります。
 とても大事な指摘です。

 安田さんは1987年生まれで、まだ20代後半です。
 この若さで、日本人の歴史認識の弱さを自覚し、それにたいして警鐘を鳴らす発言をしていることに驚くとともに、頼もしさを感じます。
 昨年12月の総選挙で初当選した、日本共産党の池内沙織議員も、従軍慰安婦問題など歴史認識の問題を重視する若手の1人です。

 戦争法案にたいする“違憲包囲網”のひろがりとともに、そうしたなかで歴史認識にこだわる若手が複数でてきたことに重要な意味を感じています。
 歴史認識の問題は、まさしく学習教育運動にとって重要な課題の1つ、それも最優先すべき課題の1つです。
 同時に、歴史教育の貧困が生みだした歴史認識についての弱点を克服するのは、かなりの時間と要する課題であることも痛感しています。
 それだけに、若い世代から上記のような人たちがでてきたということは、一方的な“外部注入”的な学習教育ではなく、双方向・循環型の学習教育を成り立たせる現実的な可能性を感じさせてくれます。

 勤通大憲法コースは、歴史認識の問題も重視しており、憲法問題を理解するのに必要最小限の歴史認識にかかわる知識も提供してくれます。
 戦争法案反対闘争のなかでこそ、学ぶ意義のある教材です。
 ぜひとも多くの受講を!






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