6月11・12日、労働者教育協会第62回総会を東京都内で開催しました。
2月24日、ロシアが隣国のウクライナへの侵略を開始しました。
この暴挙は、国連憲章等国際法を公然と踏みにじるものです。
この侵略戦争は、20世紀の2つの世界大戦(第1次世界大戦・第2次世界大戦)の悲劇を教訓にして人類が積み上げてきた「戦争違法化の原則」や力によって他国領土を奪い取ることを禁止する脱植民地化への挑戦でもあります。
この意味で、ロシアの暴挙は、20世紀後半に人類が到達した国際秩序を根本から踏みにじるものであり、許すことは出来ません。
さらに、問題なのは、このウクライナ危機に乗じて、自民党や日本維新の会などの改憲勢力が大軍拡と「敵基地攻撃能力」の保有を主張し、9条改憲の早期実現をすすめようとしていることです。
ロシアの侵略を口実に意識的に“中国脅威”“北朝鮮脅威”をあおり立て、力には力が必要であり、9条では日本を守れない、軍備を増強して憲法を「改正」すべきと叫んでいます。
また、許せないのは、自民党の一部と維新の会が「非核三原則」を見直して「核共有論を提起していることです。
唯一の被爆国としての「非核三原則」(つくらない、持たない、持ち込ませない)を公然と踏みにじり、日本を核攻撃する国に変質させようとする暴論です。
こうしたことから、今年7月に予定される参議院選挙はきわめて重要な意味をもちます。改憲勢力の3分の2の議席確保を許すかどうかが問われています。
戦後70数年まがりなりにも日本の平和と安全を支えてきた憲法と戦後民主主義が根本から破壊されようとしています。
参議院選挙で改憲派の野望を打ち砕くには、やはり「市民と野党の共闘」の力が必要です。
昨年10月の総選挙以降、野党共闘の分断と破壊をねらう攻撃が一段と強まっています。
野党共闘に脅威を抱く支配層は、共闘の破壊、特に立憲民主と共産党の分断に全力をあげ、それに呼応して、労働組合の連合指導部を中心に、「左右の全体主義反対」「基本政策がちがう共産党との連合はいかがなものか」という共闘分断の動きが強まっています。
「市民と野党の共闘」は、ジグザグの道をとらざるを得ません。
この攻撃とたたかい、この「共闘」をまもり、本物の「共闘」に発展させる努力がいま求められています。
そのためにも、労働組合運動の役割が不可欠になっています。
職場、地域から、労働者の要求を実現することと関連づけて、平和を守り、戦争の道を阻止するために9条改憲を許さない声を全国にひろげていかなければなりません。
こうした歴史的なたたかいに寄与するために、私たち学習教育運動のはたす役割がきわめて重要になっています。
学習教育を通じて、この歴史的なたたかいにどう参加するかを1人ひとりが考え、決意を固める必要があります。
この間協会が主催した憲法講座の成功を見ても、学習教育運動への期待がきわめて大きいことを再確認しました。
今年は労働者教育協会創立70年の節目です。11月の創立記念のイベントに向けて、今作成中の新「提言」と「70年」の全国的議論を通じて、2020年代の学習教育運動のあり方を深め、この歴史的たたかいにどう寄与するかを検討したいものです。
本総会は、これまでのべた情勢とこれからの日本のあり方を左右する歴史的たたかいに、どう参加し、どう寄与するかを積極的に検討することを目的にしています。
さらに、こうした検討を通じて、2020年代の学習教育運動のあり方も議論することが求められています。
こうした議論と検討をふまえて、今年度の運動方針と役員体制を決定することが、本総会の重要な任務です。
総会では、方針案、「2020年代の大衆的学習教育運動の前進をめざして(『提言』)」第2次案、「労働者教育協会の70年」第1次案をめぐって活発な討議がなされるとともに、各地のとりくみ報告、勤通大の募集と学習援助の前進、『学習の友』の活用と拡大、セミナーの成功など、困難を乗り越えて運動を前進させようという決意に満ちた発言が相次ぎました。
総会は、アピール「参議院選挙の勝利によって改憲・ 大 軍拡 と 戦争への道をふさぎ憲法と平和を守る活動家の育成に全力を尽くそう!」を全会一致で採択しました。
総会で選出された新役員は以下のとおり。
会長 山田敬男(再)
副会長 江口健志(新)
杉井静子(再)
久田隆章(再)
前田博史(再)
牧野広義(再)
事務局長 大石達弥(再)
事務局次長 相澤幸敏(再)
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