6月の労働者教育協会総会で採択したアピールをあらためて紹介します。
参院選前のものではありますが、改憲や大軍拡の危険性は参院選の結果を受けてますます深刻になっていますから、このときの問題意識をあらためて大事にしていく必要があると思います。
【総会アピール】
参議院選挙の勝利によって改憲・大軍拡と戦争への道をふさぎ
憲法と平和を守る活動家の育成に全力を尽くそう!
ロシアによるウクライナへの侵略は国際法・国連憲章違反であり許されないものです。安保理の常任理事国であるロシアによる蛮行に対し、国連は臨時総会を開催し3月2日)、加盟193か国中141か国の賛成でロシアへの非難決議を採択しました。 ロシアの国際的孤立はあきらかです。
ロシアのウクライナへの暴挙に乗じて自民党や維新の会などの反共・改憲勢力は、中国・台湾との緊張関係や北朝鮮の脅威をことさらに強調しています。ロシアによる隣国への突然の侵略に対し、軍事力の強化に賛成する世論が強まり、「憲法9条の下で侵略に対抗できるか」など、改憲の動きが強まっています。7月の参議院議員選挙以降3年間は国政選挙が予定されず、改憲へ向けての絶好のチャンスと改憲勢力は動きを活発化させています。
自公政権は昨年9月に菅内閣から岸田内閣に代わりました。新型コロナ禍は3年目に入り感染対策は「ウイズコロナ」に移行し始めています。新型コロナ ウイルスの猛威のなかで、「貧困と格差」の「二極分化」がすすみ、雇用と医療・社会保障のシステムの脆弱化の進行による弊害が生じています。 政府は日本の軍事関連予算を NATOが目標とする GDPの2%に5年間で引き上げるなど「骨太の方針」に盛り込みました。しかしその財源は、消費税増税か赤字国債の発行、社会保障費の削減など国民生活を犠牲にするものにならざるを得ず、さらに「貧困と格差」を拡大するものであり許す訳にはいきません。
ウクライナの戦争が長引き、戦場の悲惨な状況が伝わる中で、「 戦争はいやだ」という声が広がりはじめ、軍事力の強化による抑止力では軍拡競争が すすむだけで 平和は守れないという世論も出てきています。 参議院選挙では、戦争か平和か、国民の経済再建の課題が 歴史的な国民的課題になっています。
昨年10月の総選挙の終盤以降、野党共闘の分断と破壊を狙う攻撃が一段と強まっています。 その結果、今度の参議院選挙で、 「野党共闘」に一定の困難性が生まれていますが、 たたかいに勝利する道は、「市民と野党の共闘」の強化・発展しかありません。 そのためにも、「共闘」を支え、「共闘」の核とも いえる 革新政党の躍進を強く期待します。
政治を根本から変えようという世論と運動をつくるため、学習教育運動として積極的に寄与していくことがもとめられています。 さらにこうしたとりくみをつうじて、学習教育運動の中心的任務である、科学的社会主義の基礎理論を普及し、階級的自覚をもった魅力的な活動家集団の再構築につなげていくことが重要です。
労働者教育協会は、1952 年10月13日に創立され、今年、創立 70周年を迎えます。創立以来、労働運動の発展と政治の根本的変革をめざして努力してきました。そのためにも、運動を支える担い手を育てることがもとめられて います。こうした運動の前進に寄与するために、以下の課題に積極的にとりくみましょう。
*『学習の友』のこの間の選挙関連記事などを活用しながら、情勢論議を深め、参議院選挙で改憲勢力に 3分の2の議席を占めさせないように積極的に参加しましょう。
*憲法や日米同盟、いのちとくらしをめぐる階級闘争に寄与するため、貧困・憲法・安保の総学習運動の重要性が高まっています。職場・地域で積極的に展開しましょう。
*勤労者通信大学の基礎理論コースや入門コースをはじめとして、学習教育運動の中心的任務である、科学的社会主義の基礎理論を普及し、階級的自覚をもった魅力的な活動家集団の再構築に寄与するために、全力を尽くしましょう。 全労連議長・労教協会長の「共同アピール」を大いに活用しましょう。
2022年6月12日 労働者教育協会第62回総会
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