私も見学と取材を兼ねて、2回目の前回から参加しています。
というのも、日本医労連書記局の人たちは、昨年、私が学習援助をした労組コース学習会に参加していたメンバーでもあり、たまたまこの学習会に合流したものの、もともとは別個に学習会を準備していた経過があります。
そんなわけで、一応、私も顔をだすだけでもかかわろうということになりました。
3回目の昨日は10人が参加しました。
学習範囲は第3章「資本主義経済のしくみ」。
チューターをつとめる東京医労連のNさんは、パワーポイントを駆使して、テキストのわかりにくい部分を図式化した資料も活用しながら丁寧に解説。
そうはいってももともとかなり難しい内容なんで、質問もたくさんでました。
それも、話の途中で割って入ってきて、「それってどういうこと?」って聞いてくるもんだから、Nさんもたいへんだったと思いますが、Nさんは慌てず騒がず、やはり丁寧に返していました。
これが東京医労連流なんでしょうかねえ。
「民医労の場合、実際に賃下げとか悪い条件を提示されたら、どう対処すればいいんだろう?」という質問は、なかなか生々しくていいですね。
Nさんは、「民医連の場合は、とにかく実態をみながら対処するしかない」といいます。
これはおそらく、民医連の場合は、経営側も労働者側も、理念としては民主的な立場を共有しているというタテマエがあるがゆえの対処のしかたが必要だ、ということなのでしょう。
参考までに、私もひとこと発言しました。
「中小企業の労働運動の場合、賃下げなどの条件をのむ場合がある。
その場合も、あくまでもその瞬間、賃上げ、あるいは現状維持ができないほど経営が苦しい状態に実際にあるということを組合としてきちんと確認し、下げた分は負債として経営状況が回復したら返金することを約束させるなど、条件をつけている」。
これは、学習の友社でだしている労働総研中小企業問題研究部会編著『中小企業の未来を拓く――労働組合の課題と解決法』などで学んだことですが、こういう具体的、実践的な問題はテキストを学んでいるだけでは理解できませんから、なかなかいいやりとりだったと思います。
テキストの内容にそくした理解が充分に理解できている感じではないですが、こういう現実的な問題と切り結んだ理解がすすむのはとてもいいことだと思います。
その後の交流会でのやりとりでも、「搾取というのは、テキストにそくしていえば、大づかみにいって、ごく少数の資本家が賃金の何倍にものぼる剰余価値を山分けしているというイメージを、とりあえずなんとなしにでもつかむことが大事。学者になるわけじゃないんだから、労働者の場合は怒りの現実的根拠となることをきちんとつかむことが大切では」といったら、うんうんと頷いてくれました。〈Y〉