労働者教育協会のブログ

生きにくいのはあなたのせいじゃない。

選挙だからこそ学習しよう─ジェンダー平等をめぐって(総会方針より)

 選挙中だからこそ学習を忘れずに!

 ということで、総会方針の情勢部分などから、何回かにわたって抜粋します。

 

ジェンダー平等をめぐって》

 日本のジェンダーギャップ指数は、2021 年でも 140 位と先進国では最低水準となっています。コロナ禍で起きた解雇、休業などの雇用変動は、女性を直撃しています。女性の非正規雇用の割合は56%を占め(男性 22.8%)、正規雇用でも女性の年収は 300 万円未満が 48.2%(男性 22.2%)を占めています。これは日本の資本主義の構造問題です。すなわち、国際競争力と国内市場の脆弱性は女性の家計補助型低賃金に支えられています。男女賃金格差の是正はジェンダー平等にとって最大の喫緊な課題です。
 日本の国会議員の女性割合は、未だに 1 割台で停滞しています。世界各国議会のそれは加速的に急増しており、その背景には 3 分の 2 の国が候補者の女性割合を一定以上にするクオーター制の導入があります。日本でも「政治分野における男女共同参画推進法」を法的拘束力のあるものにし、政策決定過程への女性参画をいっそうすすめる必要があります。
 性被害者が声をあげるフラワーデモなどの運動によって「合意のない」性行為を許さない刑法改正等の動きもすすんできています。しかし、職場でのハラスメントは未だ深刻です。政治現場でのハラスメントをテーマに国がドラマを作成していますが、地方議員の 42%がハラスメントを経験したという調査があります。職場でのハラスメントが労働相談の圧倒的多数を占める現状もふまえると、ILO のハラスメント禁止条約を早期に批准したうえで、ハラスメント防止法の強化が必要です。
 また「日本的家族観」にこだわる保守層が夫婦別姓反対、LGBT 法案の国会提出先送りなどをしている実態もあります。ロシアによるウクライナ侵略で核戦争を含む戦争の脅威にさらされている今日、ジェンダー平等にとっても平和は不可欠です。国連の女性差別撤廃条約の前文には「国の完全な発展、世界の福祉及び理想とする平和は、あらゆる分野において女子が男子と平等の条件で最大限に参加することを必要としている」と明記されています。また 2017 年に国連で採択された核兵器禁止条約でも「女性および男性の双方による平等で十分かつ効果的な参加が持続可能な平和と安全の促進と達成のために不可欠な要素であることを認識し、女性の核軍縮への効果的な参加を支援し強化することを約束」と書かれています。「生命を産む」女性だからこそ平和を望むという女性的価値観は憲法的価値観でもあります。ジェンダー平等は恒久的な平和主義とともに憲法を生活に定着させ、活かす課題なのです。

 

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