労働者教育協会のブログ

生きにくいのはあなたのせいじゃない。

仲間をあつめる力を、勤通大で─自動車産業の職場から

仲間をあつめる力を、勤通大で
自動車産業の職場から
●パパは土日しか帰ってこない
 自動車産業の職場です。
海外生産が7割と海外シフトが非常に進んでいます。生産部門は最少の人員で稼働しています。車種間の繁閑にたいしては、工場間応援で調整し、賄いきれないとなれば不足人員を間接部門(事務・技術)からの応援で凌いでいます。しわ寄せはすべて労働者に、利益は企業が独り占めとなっています。
昨年の不正申告問題による業務の遅れを挽回するため特に開発・技術部門では深夜までの超長時間労働、子供から「パパはどうして土日しか家に帰ってこないの」?といわれ、笑うに笑えない深刻な実態です。
会社は好決算が続く一方で、自動車メーカー最低の賃金・貧弱な手当や福利厚生の実態があり、「会長が代わらなければ仕方がない」と思う反面、あきらめきれず「何とかしたい」と思う状況が続いています。
 
●運動経験のない仲間たちと
 3年前に2人の労働者に、「職場を変え政治を変えよう」と「職場を働きやすくする会」に参加してもらうことができました。
しかし、2人は政治活動や労働組合運動の経験がほとんどない人達でした。そのような人たちが職場で運動を進めていくためには、会社の労働者支配のやり方や労働者のたたかいなど基礎的な理論学習の必要性を強く感じていました。
そんな時に新聞広告で勤通大の記事をみて通信教育に挑戦してもらおうと考えて受講申し込みをすることになりました。
1か月に2回2時間程度の学習を当初は計画しましたが、2人の勤務条件や趣味の時間などを考慮すると困難なことがわかり、最低でも月1回は実施することで開始しました。当初は事前に範囲を決めてテキストを読んできてもらい質問や疑問を討議して実施する予定でしたが、事前に読むことは難しく、結局毎回読み合わせをして進めるということで当初の倍の時間がかかりました。
やっと最初の1年で第1回のレポートの提出までこぎつけました。
新年からは第二部から始める予定でいます。何とか今年一年で終了できるよう頑張りたいと思っています。
 
●少しずつ見えてくるはず
 「政治や職場を何とか変えたい」という思いは人一倍思っていても、今の時代、特に「ポスト真実」に対して見抜く力を養い、一緒にたたかう仲間を集める力をどのように付けていくか――、なかなか思うようにいきません。
でも、最初は分からなくても、少しずつ世の中の仕組みや物事の関連が見えてくるものだと、自分の過去も思い出しながら焦らず進めています。
新しい人たちは、まだついてくるのがやっとの情況です。でも何か大事なことを学んでいるという自覚は持っています。3人で卒業までがんばりたいと思っています。

※『勤通大2017年推進ニュース』№1より