全商連の機関紙『全国商工新聞』12月15日号に、吉崎祥司著『「自己責任論」をのりこえる─連帯と「社会的責任」の哲学』の紹介記事が掲載されました。
編集部のご厚意で、本ブログに転載させていただきます。
転載にあたって、センテンスごとに改行、パラグラフごとに1行アケ、一部の漢字をひらがなで表記しました。
編集部のご厚意で、本ブログに転載させていただきます。
転載にあたって、センテンスごとに改行、パラグラフごとに1行アケ、一部の漢字をひらがなで表記しました。
***以下、転載***
自分がきめたことに責任をとるのは当然─。
一見否定しにくい「自己責任論」のもとで、社会的な問題を本人のせいにする風潮がひろがっています。
社会哲学を専攻し、北海道教育大学で長く教えた著者は、自己責任論が日本でまん延する背景と、その理論的背景にある「新自由主義」をくわしく解説。
自己責任論に対抗する「社会的責任」の概念と、その実践である「社会権」の確立を唱えます。
「社会的責任」とは19世紀末~20世紀初頭、ヨーロッパで確立した考え方。
「普通の能力をもつひとりの正直な人間」が労働し、生活を立てられないような社会は欠陥があり、「個々の労働者はその機構を正すことはできない」のだから、国家が報われない人の生活を保障する責任があると主張。
その後、ヨーロッパで確立した「生活は勤労(収入)と社会保障で成り立つ」という社会文化の形成に貢献しました。
なぜ個人の「責任」を問うことなく、すべての「人間の尊厳」が保障されなければならないのか(人間の根源的平等)など、哲学的示唆にも富みます。
***以上、転載***