労働者教育協会のブログ

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新刊紹介:山田敬男・牧野広義・萩原伸次郎編著『21世紀のいま、マルクスをどう学ぶか』

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先日紹介し学習会とも関連して、山田敬男・牧野広義・萩原伸次郎編著『21世紀のいま、マルクスをどう学ぶか』が学習の友社から刊行し、昨日、事務所に到着しました。
 内容は以下のとおりです。

《Ⅰ マルクスの生き方と思想》
 第1話 長久啓太「マルクスの生き方を考える」
 第2話 牧野広義「個人の尊重とマルクス
 第3話 赤堀正成「未来を先取りする労働組合


《Ⅱ 資本主義の分析と批判》
 第4話 萩原伸次郎「マルクスの経済分析とわたしたち――『資本論』を現代にどう生かすか」
 第5話 友寄英隆「『資本論』の視点で、AI(人工知能)やICT革命をどう見るか」
 第6話 岩佐茂「資本主義批判としての疎外・物象化論」
 第7話 江口健志「『資本主義の限界』と変革の展望」

《Ⅲ 社会変革と未来社会》
 第8話 妹尾典彦「労働者階級の成長・発展とマルクスエンゲルス
 第9話 長澤高明「日常生活と政治意識」
 第10話 石川康宏「マルクスが資本主義の先に見た社会」
 第11話 山田敬男マルクスの視点から日本の変革主体と労働運動を考える」

 マルクスは19世紀に活躍した思想家であり、革命家です。
 そのマルクスの考え方が、21世紀の現在でも有効であると私たちは考えています。
 時代を超える、たいへん魅力的な思想家です。マルクスの理論や思想の真髄は、「科学の目」と「変革の精神」にあります。
 マルクスと盟友のエンゲルスは、現実とたたかい、人びとの解放を願いながら、問題の本質を深く考え、問題の解決の方向をあきらかにする態度を一貫してとっていました。
 そこには真理を究明しようとする「科学の目」と、困難な現実を打開しようとする「変革の精神」が満ちあふれていたのです。

 またマルクスの理論は、閉鎖的で硬直化した学説、ひとりよがりの偏った考え方ではなく、人類の知的財産とも言える諸潮流と内在的に格闘し、その成果を継承し、発展させた科学としての社会主義であり、「開かれた創造的な理論」といえます。
 マルクスエンゲルス創始者とする科学的社会主義は、彼らがゼロからいきなり創りあげたものではなく、それまでの人類が生みだした理論や思想を科学的に変革して創りあげたものです。
 科学であり、変革の理論であるマルクスの考え方は、不断の努力を積み重ね、自己検討を行いながら、自らの理論の発展をもとめています。
 その意味で、マルクスの理論は、けっして完成された「終着駅」などではないのです。
 したがって、マルクスの理論を学ぶうえで大切なことは、彼の個々の言説を絶対化するのではなく、彼の「科学の目」と「変革の精神」を吸収することにあると言えます。
 
 そこで、こうした問題意識にたちながら、「マルクスの生き方と思想」「資本主義の分析と批判」「社会変革と未来社会」という3つの領域からなる『21世紀のいま、マルクスをどのように学ぶか』という本書を刊行することにしました。
 本書の特徴と私たちの願いは次のとおりです。


 マルクスの生き方、思想、理論を3つの角度から全体的に考えることができるように工夫しました。
 この3つの角度からマルクスを全体的にみるということが本書の最大の特徴と言えます。


 できるだけやさしく、わかりやすい叙述を心がけました。
 本書をできるだけ多くの方々に読んでいただきたいと思っています。
 マルクスを読んだことがない、社会科学の学習はこれからという方が多いのではないでしょうか。
 そういう方にも、マルクスと社会科学の学習に関心をもっていただくために、できるだけわかりやすい論立てと筆者の問題意識が鮮明になるように努力いたしました。


 たんなるマルクスの解釈論文でなく、今日の労働者や市民がぶつかっている諸問題、いい換えれば今日の時代の課題と関連づけて論じるように努力しました。
 労働者や市民がぶつかっている問題を考えるうえで、マルクスの精神や理論がどのように意味があるか、どのように有効であるかをわかりやすく展開したつもりです。


 市民サークルの学習会、労働組合の学習会、地域の労働学校、『学習の友』や勤通大の学習会などで、本書を使用したり、参考文献にして、マルクスについて大いに議論していただければ幸いです。

 本体1800円+税。

 ご注文・お問い合わせは学習の友社まで。
 
tomo@gakusyu.gr.jp
 
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