今回も入門コーステキストからの引用です。
これは前にも紹介していると思いますが、時間が経っているので、再掲載します。
マルクスの理論をベースとした科学的社会主義の基礎理論は、本格的には2019年度に全面改訂して開校する「新・基礎理論コース」で学んでいただければと思いますが、入門コースでも「つまみ食い」ができますし、以下のようなコラムを週力しているところも魅力の1つになるかなと思っています。
“生き方と社会を考える”という入門コースのキャッチフレーズにふさわしく、マルクスという人の生き方にも触れながら、学んでいただけるとありがたいです。
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《コラム》マルクスという人がいた
◇万国の労働者、団結せよ
カール・マルクスの言葉でいちばん有名なのはおそらく、「万国の労働者、団結せよ!」(『共産党宣言』の結び)です。
資本主義社会を変革し、新しい社会の担い手として、労働者がその主人公になるのだ、そのために手をつなごう、というメッセージが込められています。
これを書いたときマルクスは29歳でした。
いったいマルクスとはどんな人物なのでしょうか。
◇勉強家だった
マルクスは、比較的裕福な家庭に生まれ、歴史や哲学を旺盛に学ぶ青年でした。
ベルリン大学に進んだマルクスは、そこでヘーゲルという大哲学者の思想を吸収します。
それは弁証法というものの見方で、「自然や社会はつねに変化していくし、そこには法則性が貫かれている」という世界観でした。
その後マルクスはライン新聞という左派的新聞社に勤め、健筆をふるいます。
そこで彼は、社会で生起してくるさまざまな問題の背景に、経済の問題があることを見、経済学の学びの必要性を自覚するのです。
◇社会の矛盾に立ち向かう
マルクスは、ずっと部屋にこもって研究ばかりしていたわけではありません。
1848年、ドイツで革命が起これば駆けつけ実践活動にも精力的に参加し、共産主義同盟という組織の立ち上げにもかかわります。
その共産主義同盟がかかげた綱領的文章が、世界的に有名となる『共産党宣言』です(マルクスとエンゲルスの共同執筆)。
マルクスの生涯は、真実を追い求め世界をまるごと把握しようという努力とあわせて、社会の矛盾に立ち向かい、打開する姿勢にみちています。
◇『資本論』を世に出した
その革命家としての最大の功績が、資本主義社会のしくみや運動法則を根源から明らかにした『資本論』を世に送り出したことです。
『資本論』は経済学の本ではありますが、科学的社会主義の理論の真髄が多面的に発揮されている、まさにマルクスの集大成ともいえる書です。
それは、彼が若いときにメモとしての残した言葉「哲学者たちは、世界をただいろいろに解釈してきただけである。しかし、たいせつなことは、それを変えることである」(フォイエルバッハに関するテーゼ)を理論として表したものです。
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