労働者教育協会のブログ

生きにくいのはあなたのせいじゃない。

株取引で生計を立てている人の階級は?

 基礎コース受講生からの質問と回答を掲載します。

Q:最近はパソコンを駆使して、海外とも株の取引をする青年などもいるようですが、彼らは階級に属さないのでしょうか。

A:
 この青年が主たる収入をいずれかの会社で働いて得た賃金に依拠しているなら、生産手段の所有者のもとで、搾取される側ですから、労働者階級に所属します。

 彼がパソコンを駆使して株取引をしても、それは搾取された結果としての賃金を投資(むしろ現状は投機)に使っているだけのことで、そこでのもうけや損失は競輪や競馬・パチンコに賭けるのと同じです(テキスト第3章第2・3節参照)。

 ただし、この青年がパソコンを使って株で大もうけをし、会社を辞めて、株取引に専念し、これを生業とするようになったのであれば、金融資本家に転化したことになります。
 なぜなら彼は資本家に搾取されず、他の資本家の搾取した剰余価値のおこぼれを我が物にし、生計を立てる側になったからです。
 しかし、基本的には投機ですから、証券会社やヘッジファンドとちがい、一気に生計が成り立たなくなる可能性は大です(テキスト第4章第3節参照)。