労働者教育協会のブログ

生きにくいのはあなたのせいじゃない。

労働組合で交渉する─入門コーステキストより

 入門コーステキストには、労働組合の話も、さわりですがでてきます。
 その一部を紹介します。

《●労働組合で交渉する
 使用者と対等に交渉するためには、何が必要か。ものが言えるには何が必要か。そのことを労働者は歴史的な実践をつうじて発展させてきました。それが、労働組合と、労働組合による団体交渉・ストライキです。働きやすい職場をつくることと、生活をむしばむ「低賃金」や「働きすぎ」を防止するために、「みんなで交渉する」「みんなでたたかう」のが労働組合です。その手段を、労働者の先輩たちは獲得してきたのです。
 日本国憲法は第28条で「勤労者の団結する権利及び団体交渉その他の団体行動をする権利は、これを保障する」とうたい、労働基本権を無条件で保障しています。労働三権とも言います。労働組合をつくって団結し、「労働者の数」を力にして、使用者と団体交渉をする。そしてどうしても要求を実現したいときはストライキをかまえて、使用者に譲歩をせまる。これらの「たたかう手段」を法的に保護することを国家にたいして要求しているのが憲法です。憲法は労働者に一方的に「肩入れ」しています。相対的に弱い立場にある労働者の人権を守るためです。私たちは、この労働基本権をフルに活用しながら、労働組合をつうじて、人間らしい働き方と生活を勝ちとるのです。》

 先日、とある学習会では、《憲法は労働者に一方的に「肩入れ」しています》という表現に「おもしろい」と反応された方がいました。
 なかには、「こんな書き方していいんですか」という人も。
 チューターからは、「入門コースらしい“くずし方”をしている。立憲主義の観点、すなわち、憲法が国民から権力者への“命令書”という本質からすれば、命令主体=主権者である国民の大半を占める労働者に『肩入れ』するのは当たり前の話だ」というアドバイスがあったということです。

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