労働者教育協会のブログ

生きにくいのはあなたのせいじゃない。

「学習」はきっと確信につながる

●「学習」はきっと確信につながる
 
埼玉県高等学校教職員組合(埼高教) 委員長 新島善弘
 
 1998年の中教審答申以降、政府・文科省による「競争と管理」を基調とする「教育改革」が、洪水のようにすすめられています。埼玉県においても様々な「改革」という名の「改悪」が矢継ぎ早に押し寄せてきています。そして、賃金の総合的見直し、退職金の大幅引き下げなど賃金の抑制や長時間過密労働が恒常化し深刻な「多忙化」が続いています。このような情勢の中、埼高教は結成以来の学校・職場を基礎とした運動を引き継ぐとともに、「参加と共同の学校づくり」を基調とし、労働条件の改善を学校づくりの課題と統一させ取り組み、様々な学校教育への攻撃に対して教育の条理に基づき、教育と教職員の生活を守り発展させてきました。
 
・次の世代につないでいくことが求められている
 
こうした学校づくりを基調とした多くの組合員の奮闘により、毎年たくさんの仲間を迎え、青年部活動も活発になっています。その一方で、教職員全体の年齢構成が変化する中、組合内の年齢構成も同じように変化し、年齢構成や組織構成のアンバランスが組織運営上の課題にもなっています。この現象は、労働組合運動の若い世代への引き継ぎの問題として、表面化し、これまで獲得してきた教職員の権利、学校運営における重要な原則をしっかりと次の世代につないでいくことが求められています。そのためにも、学校づくりと教職員の働く権利にかかわる取り組みなど、学習する様々な機会を作ることが喫緊の課題となっています。
 
・科学的に世界史をとらえていくのに「目から鱗
 
25年前、埼高教青年部の役員をしているときに初めて勤労者通信大学と出会いました。当時、勤通大基礎コースに取り組みテキストを読み進めていくと、ふと高校の時の世界史の先生の授業を思い出しました。世界史の最初の授業で、教科書の「誤った」語句の訂正や黒塗りをしました。「浸出」は「侵略」にかえました。その先生は、教科書は使わず、独自のプリントを用意し、「世界史をどうとらえるか」という授業でした。科学的社会主義を軸にしたプリントで、世界史を苦手としていた私にとって、科学的に世界史をとらえていくという実に明快な授業であり、「目から鱗」でした。埼玉県の教師になり、埼高教に加入し、先輩の組合員に聞いたら、その恩師はやはり埼高教の組合員でした。「たぶん、その先生の講義を埼高教でもテープに録音してあるんじゃないかな」と聞いていますが、いまだに見つかりません。
個人で学習を進めることも大切ですが、やはり組織として学習を位置づけていくことは、もっと大切ではないでしょうか。「学習」は確信につながります。全ての組合員が「学習の友」を購読し、「わくわく講座」や「勤労者通信大学」を受講してほしいものです。こんな時代だからこそ、「学習」が大切です。しかし、多忙化の中に運動も埋没し、どうしても「学習」が後回しになってしまいます。情勢が目まぐるしく変化しています。私たちの運動に確信をもち、前進させていくためにも学習活動を推進していきましょう。

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