労働時評/スト実践講座始まる/労働団体の枠超え運動交流
●ストなしに危機感
タイトルは「労働組合・労働弁護士のためのストライキ実践 オルガナイザー伝承講座」。日本労働弁護団の棗一郎幹事長は「組合のストが減り、若手弁護士から『ストを見たことがない』という意見が出され、『それはよくない』と、初めて企画した」と述べた。
若い組合員の多くもストの経験がなく、伝承されていないと指摘。「いろいろな組合のストの流儀を交流し、労働運動の強化をめざそう」と訴えた。10月7日の講座には約100人が参加した。
●相鉄労組ストの奮闘
「鉄道ストは社会的影響が大きく、簡単なことではない」と報告。早朝ストを終えた午前7時頃、改札やホームにいる組合員が乗客から「ふざけるな!」と大声で詰め寄られ、スト経験のある先輩組合員がガードするのだという。
一方、スト前日には組合事務所に多数の電話がかかり、「頑張れ」との応援に「若い組合員は勇気づけられる」という。会社は純粋持ち株会社の相鉄ホールディングスとなり、鉄道、バスなどを分社化(約130社)。交渉も、複合企業の中の単一組合という複雑さもつきまとう。
かつて私鉄大手は中央集団交渉でストを背景に統一妥結を図っていたが、最近は各社交渉でストは激減。相鉄労組は準大手ストとして注目されている。高橋委員長は「ストを打ち抜く組合力は、理不尽な攻撃を行う会社には労働力を提供しない、というスタンスと職場組合員の信頼」と述べ、交運労協加盟組合との連帯も重要と語った。