労働者教育協会のブログ

生きにくいのはあなたのせいじゃない。

合法的な変革の過程で、暴力的な抵抗にどう対処するか?

 基礎コース受講生のIさんから、以下のような質問をいただきました。

 「議会をつうじての合法的な変革の過程で、非合法的な場合があるのでしょうか。
 支配階級の反抗も考えられ、暴力的な過程となる可能性もあるのではないか。
 テキストの立場は平和的変革唯一論ではないと思いますが。
 ……もちろん私は暴力革命待望論ではありませんが」。

 意外と昔からよくでる疑問だと思います。
 今日は、この点について考えてみましょう。
 
 まず、この点にかかわるテキストの記述を確認しておきましょう。
 「議会制民主主義が定着しているもとでは、国民の多数の支持による議会をつうじる合法的な変革=革命が可能となります。
 国民の多数支持のもとに、民主的諸勢力が選挙で勝利し、議会の多数を得て民主的政府をつくることが可能です」(314ページ)。

 こうした社会変革の過程において、旧支配階級が暴力的な抵抗を企てることは、もちろんありうることです。
 では、こうした暴力的な抵抗にどう対処すべきなのでしょうか。
 そのさい、以下の2つのポイントをおさえておくことが大切です。

 1つは、そうした暴力的な抵抗を起こさせないよう、事前に政治的な封殺をおこなう努力を積み重ねることです。

 2つは、それでも暴力的な抵抗が起こされてしまった場合には、民主的政府は合法的な手段を使って制圧しますが、その場合もあくまで合法的・平和的変革の一局面としてとらえることが重要です。
 制圧が済めば、ただちに平和的な変革の過程にもどさなければなりません。

 このように、議会をつうじての合法的・平和的な変革の過程において、旧支配階級の暴力的な抵抗とその制圧という非平和的な事態(Iさんは非合法的といわれていますが、非平和的とするのが正確でしょう)がありうるでしょうが、あくまでも合法的・平和的変革の一局面であり、全体としては変革は合法的・平和的にすすめられていくのです。  (勤通大部長・吉田ふみお)