労働者教育協会のブログ

生きにくいのはあなたのせいじゃない。

『学習の友』2025年10月号




本日発売です。

 

ケア労働者の低賃金、人手不足がさらに深刻になっています。
全労連は9月から12月まで「ケア労働者の賃上げアクション」を展開します。
今月号では、このアクションに連帯する特集を組みます。

なぜケア労働者は低賃金なのでしょうか。
社会保障を切り捨て、ケア労働者の賃金を抑えてきた政治の責任が問われるべきです。
とくに新自由主義構造改革が大きな要因です(岡野インタビューおよび黒澤、岡﨑、伊藤各氏の論文を参照)。
同時に、ケアの軽視は資本主義の利潤第一主義にも深く根差し、そして歴史的にケア労働を女性に押しつけてきた、女性差別の構造も背景にあります(岡野氏インタビュー)。

いまこそ職場・地域からケア労働者の賃上げアクションを展開しましょう。
この間、ケア労働者たちのたたかいは、貴重な経験をつくりだしています。地域住民に支えられるストライキ闘争(長野県医労連)、職場での対話の上に展開される賃金闘争(福祉保育労神奈川)、そして地域にでていって、広範な病院、介護事業所と対話し、その声を背景に自治体へ要請する運動も活発に展開されています(長野県医労連、京都医労連、しまね自治労連)。
こうした運動がケア労働者の専門性に支えられている点も大切です。
これらの経験を大いに学びましょう。

そして新自由主義を乗り越え、社会保障を抜本的に拡充し、大企業負担・富裕層課税を求める根本的な政治変革が切にもとめられます。
「ケアを貶める社会からケア中心の社会へ」――いまこそ学びと運動をひろげましょう(岡野インタビューおよび岡﨑、梅原氏の論文を参照)。

以下、編集後記です。

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《編集後記》


全労連の9月からの「ケア労働者の大幅賃上げアクション」をバックアップするのが、本号の目的です。
いくつかの貴重な実践を紹介することができました。
巻頭カラーの長野の運動は示唆に富みます。民医労が住民との対話を力にストライキ。そうした闘いが事業所の枠を超えて展開されていることも注目されます。
そして果敢な自治体要請行動。制度闘争を、看護闘争委員会など職種別結集が支えている点も教訓的です。

京都医労連の対話活動も貴重です。
その歴史の蓄積とともに、現場の労働者を巻き込む、330もの病院・老健施設への訪問・対話はすごい実践です。
医師会ら職能団体との対話も産別労働組合としての大事な役割です。

長野も京都も、地域に積極的に働きかける、医療労働組合の社会的役割が注目されます。

岡野さんインタビューでは、ケアが貶められてきた原因が明らかされ、ケア労働の価値について掘り下げていただきました。
「ケアを社会の中心にすえる」変革の方向性が、その担い手論とともに魅力的に語られています。
ケア労働の役割・意義を社会保障論の視点から明らかにした岡﨑論文、消費税によらない社会保障財源の方向性を骨太に示した梅原論文もぜひ読んでいただきたいです。
今回のアクションが、社会科学的なものの見方の学習と結びつけて展開されることを願っています。
ぜひ本号をご活用ください! (E)

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定価500円+税

ぜひ活用・普及をお願い致します。

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