報告が遅くなりましたが、労働者教育協会は、３月30日付で声明「ロシアのウクライナ侵略に抗議し、９条改憲の企てを許さない!!」を発表しました。
さっそく、翌日の『しんぶん赤旗』（５面国民運動面左下）に紹介記事を掲載していただきました。
ありがとうございます。
昨日校了した『学習の友』2022年５月号にも全文を掲載していますが、以下、全文を掲載します。
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ロシアのウクライナ侵略に抗議し、９条改憲の企てを許さない！！
２月24日、ロシアが隣国のウクライナへの侵略を開始しました。この暴挙は、国連憲章に定められている「武力による威嚇叉は武力行使」禁止原則（憲章第２条-４）を踏みにじるものです。また、この侵略戦争は、20世紀の二つの世界大戦（第1次世界大戦・第２次世界大戦）という痛苦の体験を教訓にして人類が積み上げてきた「戦争違法化の原則」への挑戦に他なりません。
プーチン政権は、軍事同盟・NATO（北大西洋条約機構）の脅威、ウクライナはロシア共同体の一部などを理由に侵略を正当化していますが、どれもまったく根拠がありません。ウクライナはNATOに加盟しておらず、NATO軍はウクライナに派兵されていません。また、ウクライナは、1991年、ソ連から独立し、国際社会から独立国として承認されています。こうしたことを見ても、どんな理屈も成り立たない「力の論理」であり、国連憲章を踏みにじる侵略行為そのものです。
このロシアの侵略によって、多くの市民が殺され、1000万人を超える難民が生まれています。この暴挙に抗議して、世界各地で、“戦争をやめろ”“ロシアはウクライナから撤退しろ”という市民の反戦運動が急速に広がっています。３月２日に開催された国連総会緊急特別会合では141カ国の賛成でロシア非難決議が採択されました。加盟193カ国の7割の賛成です。ロシアのプーチン政権は国際社会で孤立しています。
無差別攻撃を辞めよ、大量破壊兵器の使用を許すな
ところが、孤立したロシアは病院や学校、避難所などへの無差別攻撃を強め、多くの市民や子どもたちの犠牲が増大しています。さらに、原発への攻撃と占拠を行い、生物･化学兵器や核の使用による恫喝によって、ウクライナを屈服させようとしており、単なる侵略ではなく、国際人道法に反する戦争犯罪ともいえる事態になっています。このようなロシア・プーチン政権のウクライナ侵略と無差別攻撃に抗議し、核兵器などの大量破壊兵器の使用を絶対に許してはなりません。３月24日に開催された国連総会緊急特別会合では、ロシア軍の民間人や民間施設への無差別攻撃による人道危機について、「ロシアの敵対行為の結果」と明記し、ロシア軍のウクライナからの即時完全無条件撤退を求める人道決議案が140カ国の賛成で採択されました。３月２日のロシア非難決議に続いて、ロシアの国際的孤立が一層深まっています。
いま重要なことは、日本と世界で“侵略やめろ”“ウクライナから撤退しろ”の声を上げ、ロシアを包囲･孤立させ、ウクライナへの連帯を示すことです。また自国政府の侵略に異議を唱えて戦争反対の声を上げているロシア市民とも連帯します。
日本国内において問題なのは、このウクライナ危機に乗じて、自民党や維新の会などの改憲勢力が大軍拡と「敵基地攻撃能力」の保有を主張し、９条改憲の早期実現をすすめようとしていることです。また、許せないのは、安倍晋三元首相ら自民党の一部や日本維新の会が非核三原則を見直して核共有論を提起していることです。彼らは、米軍の核兵器を日本に配備し、日米が共同で管理･運営する「核共有」の「議論をタブー視してはならない」と叫んでいます。維新の会は、３月３日、政府に「核共有」の議論を求める提言を提出しました。唯一の被爆国としての「非核三原則」（もたない、つくらない、もちこまない）を公然と踏みにじり、日本を核攻撃する国に変質させようとする暴論です。こうした動きに、日本被団協は、３月２日に声明を発表し、「日本国民を核戦争に導く」と強く批判しています。
いま、求められているのは、憲法を活かし、平和で人間らしく暮らせる社会の実現です。それを実現するのは政治の責任です。そのためにも、今年７月に予定される参議院選挙で、政治を変える礎を築きましょう。改憲勢力の国会発議に必要な３分の２の議席確保を絶対に許してはなりません。
労働者教育協会は、ロシアのウクライナ侵略に抗議し、ウクライナからの即時無条件撤退を要求します。
非人道的な無差別爆撃に抗議し、核兵器などの大量破壊兵器の使用に絶対に反対します。
このウクライナ危機に乗ずる軍拡と核共有の企てに抗議し、９条改憲を絶対に許しません。
2022年３月30日 労働者教育協会
