労働者教育協会のブログ

生きにくいのはあなたのせいじゃない。

自衛隊員が本当に心配なら、改憲してはいけない

安倍改憲を切る

すでに自衛隊は変わってしまった

ジャーナリスト「平和新聞」編集長 布施祐仁


「変わらない」は方便

 安倍晋三首相や自民党が本当にやりたいのは、戦力不保持と交戦権否認を定めた9条を削除し、自衛隊を米軍などと同じ「国軍」に変えることです。実際に、自民党が2012年にまとめた改憲草案ではそうなっていました。しかし、この案では実現は容易ではないとみてハードルを下げようとしたのが、安倍首相が昨年の憲法記念日に打ち出した「3項加憲案」です。
 今や国民の9割以上が自衛隊の存在を認めています。その存在を憲法に明記するだけで、自衛隊の現状は何も変わらないと説明すれば、多くの国民が改憲に同意してくれるだろうと考えたのです。
 

米軍と一緒に戦う自衛隊

 ここで注意しなければならないのは、安倍首相が「何も変わらない」と言っている自衛隊と、国民の多くが自衛隊に対して抱いているイメージには大きなズレがあるということです。
 なぜ、こうしたズレが生じているかというと、2012年に第2次安倍政権が発足して以降、自衛隊は急速に変わってきたからです。
 一番大きな変化は、これまで歴代の自民党政権がずっと「憲法を変えないとできない」と言ってきた集団的自衛権の行使を、一部容認したことです。これによって、日本が直接攻撃を受けなくても、政府が日本の安全に大きく関わると判断すれば、自衛隊が日本国外で米軍と一緒に戦えるようになりました。
 それだけでなく、平時に米軍の艦船や航空機を護衛したり、日本の安全と直接関係のない米国の戦争で米軍に弾薬を補給したり、これから空爆に向かう米軍機の整備や給油もできるようになりました。つまり、米軍が日本の国外で行う軍事行動に自衛隊がより広く、より深く支援・協力できるようにしたのです。
 一方で、国民の多くが持つ自衛隊のイメージは、災害派遣で活躍する自衛隊、国民を守る自衛隊です。そのイメージと、安倍政権の下で急速に変化してきた自衛隊の実態との間には大きなギャップがあります。
 憲法自衛隊を明記するということは、急速に変化してきた後者の自衛隊、米軍と一緒に海外で戦争ができる自衛隊憲法でも追認することになります。
 そもそも、自衛隊を日本国外で「活用」するために、日本政府に一貫して9条改憲を要求してきたのは米国です。9条改憲の本当の狙いは、米国が求める自衛隊の海外派兵の拡大にあるのです。
 

隠蔽に隊員家族からは不安の声

 安倍政権は、「戦闘」と書かれた日報を隠蔽(いんぺい)して、南スーダンに派遣した自衛隊に駆けつけ警護など戦闘に巻き込まれる危険性の高い新任務を付与しました。
 派遣されたある隊員の父親は「不安を抱えながら送り出した家族を何だと思っているのだ」と隠蔽に憤っていました。「戦争へ引っ張り出すのはよくない、戦争する自衛隊にはしてほしくない」とも話します。
 自衛隊には災害派遣や国民を守る仕事をしてほしい。海外で戦争に参加する自衛隊にはなってほしくない――これが多くの国民の思いではないでしょうか。

※連合通信特信版ニュースより
 https://www.rengo-news-agency.com/特信版ニュース2/

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