実はこの本には、当の日本会議が出版差し止めの要求を版元の扶桑社にだしたところ、著者と扶桑社がすぐさま公表したことで一躍注目されるようになり、連休後には同書が書店から一時的に消え去りました。
売り切れ続出、ということです。
増刷が書店に並ぶまでの間、アマゾンでは最安値3000~4000円程度の時期がしばらくつづいていました。
アマゾンの出品者のなかには、まだ書店に在庫があるうちに買い占めて、高値で売りだしていると思われるものも少なからず見受けられました。
一定部数については、日本会議関係者が普及がひろがるのを恐れて買い占めたことも考えられます。
現在も売り上げ上位をキープしており、ついに12万部を超えたそうです。
雑誌の記事についていえば、多くは同書著者の菅野氏が頻繁に登場していますから、文字どおり火付け役であったことはわかりますが、参院選に間に合わせるかのようにいくつもの本がだされている(俵義文『日本会議の全貌』花伝社、上杉聰『日本会議とは何か』合同出版、の2冊は6月刊。7月には、『週刊金曜日』成澤宗男編著『日本会議と神社本庁』金曜日、青木理著『日本会議の正体』平凡社新書、山崎雅弘著『日本会議─戦前回帰への情念』集英社新書などが刊行予定)のは、時期的には偶然でも、昨年来、日本のメディアでも注目されはじめたころから準備がすすめられていたことが予想されますから、たんなる偶然ではすまないでしょう。
日本会議への注目は、やはり閣僚の7割が日本会議議連に所属していることもありますが、何といっても、日本会議のめざすものが、当の安倍首相の主張なり信念と見事に重なるからでしょう。
戦争法反対闘争で「反安倍」がひろがり、その安倍の背後に蠢く“黒幕”ともいうべき日本会議にこれほどまでに注目が集まるのは、日本社会の一定の健全さの現れといっていいでしょう。
日本の場合、壊憲の動きは「戦前回帰」ともいうべき“靖国派”との結びつきが強く、それどころか、そうした歴史歪曲集団が主導しているというのが事の本質といえます。
ですから、こうした動きをたんなる“ブーム”に終わらせず、こうした日本会議的な動きや考えを根絶すること、とくに政治の中枢との癒着を断ち切るための学習と運動を強めなければならないと痛感します。 〈Y〉
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