前回もこの書庫でのべたように、勤労者通信大学の2015年度募集をすすめていくにあたって、基礎コースと憲法コースに重点を置き、なかでもとくに、我々の“専売特許”(科学的社会主義の基礎理論を体系的・系統的に学ぶシステム、それも通信教育としてやっているのは現実問題としてウチくらいだ、というような意味です。言葉の厳密な意味をふまえてというより、1つのニュアンスですので、“”をつけています。念のため)とでもいうべき基礎コースをどう押しだすかが課題だと痛感しています。
これまでも「筋トレ」論とか、平和問題との関係などをこの書庫でのべてきましたが、前回ものべたように、「労働組合コースだけでは活動家は育たない。やはり基礎コースを学ばないといけない」という、少なくない労組幹部・活動家の方々が感じていることに応えるような押しだしを考えていく必要があると思っています。
いずれここでもくわしく展開していく必要があるかと思いますが、大事なことは、やはり階級的自覚を身につける、深めるということだと思います。
いま、どこでも世代交代がすすみ、次世代育成が大きな課題になっています。
とくに、これからの運動をリードする活動家を育成することが重要です。
そのためには、要求にかんする基礎理論、労働組合にかんする基礎理論の学習ももちろん必要ですが、それだけでなく、社会変革の基礎理論の学習が必要不可欠なのです。
ひろい視点から世界や日本の政治、経済がどうなっているのか、また思想と文化の状態がどうなっているのかを学び、時代の流れと社会問題の背景にある本質的な矛盾をしっかりと把握することです。
このような努力によって、社会変革と未来社会への確信をもち、職場や地域で多くの仲間の連帯を組織する自覚的な労働者の集団をつくることが可能になります。
自覚的な労働者の集団があってこそ、労働組合はどんな困難があろうとも、前進することができるのです。
こうした自覚のことを階級的自覚といいます。
階級的な自覚をもつ活動家の集団をつくることが次世代育成のひとつの重要な目的といえます。
この階級的自覚は、たんなる経験の積み重ねでは身につけることはできません。
社会科学の学習がなければ、こうした自覚を形成することはできないのです。
とりわけ最良の科学ともいえる科学的社会主義の基礎理論の学習が階級的自覚の形成にとってきわめて大きな意味をもっています。