労働者教育協会のブログ

生きにくいのはあなたのせいじゃない。

基地反対の沖縄「建白書」

 オスプレイ配備撤回、普天間基地閉鎖・撤去、県内移設断念をもとめる沖縄「建白書」(2013年1月28日。後掲)。
 1年半前にだされたもので、ご存知の方も多いと思いますが、いま読み返してみても、なかなかよくできていますね。
 なんといっても、沖縄の全41市町村長、議会議長、県議会、沖縄県民大会実行委員会、沖縄県市町村関係4団体の連名で提出していますから、「オール沖縄」にふさわしい文書といえるでしょう。

 「建白書」は、とにかく“基地のなかの沖縄”といわれる実態を直視して、そこから出発し、「沖縄の実情を今一度見つめて戴きたい。沖縄県民総意の米軍基地からの『負担軽減』を実行して戴きたい」という点に絞り込み、日米安保についての立場のちがいは保留して言及しなかったことが、運動としてはきわめて重要だと思います。

 同時に、それだけに、我々としては、やはり憲法学習と結びつけた安保学習の強化、“憲法と安保に強い活動家”の養成に力を入れることが大切だと考えます。

 勤通大憲法コースをはじめ、『これでいいのか日米安保』など関連書籍の活用・普及をつうじて、この運動に寄与していきたいと思います。
 総学習運動の次のテキストともいうべき『学習の友』夏別冊「日本国憲法再確認(仮題)」も来月発行にむけて追い込みに入っています。
 内容詳細は近日発表します(チラシはすでにではじめていますが)。

 この「建白書」を団結の要として大事にしながら、11月の県知事選では何としても基地反対派の知事を復帰させたいものです。
 我々としても、総学習運動をつうじて知事選勝利に貢献したいものです。
 
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平成25年1月28日
 
内閣総理大臣
      安   倍   晋   三   殿
 
建   白   書
 
 我々は、2012年9月9日、日米両政府による垂直離着陸輸送機MV22オスプレイの強行配備に対し、怒りを込めて抗議し、その撤回を求めるため、10万余の県民が結集して「オスプレイ配備に反対する沖縄県民大会」を開催した。
 にもかかわらず、日米両政府は、沖縄県民の総意を踏みにじり、県民大会からわずかひと月も経たない10月1日、オスプレイを強行配備した。
 沖縄は、米軍基地の存在ゆえに幾多の基地被害をこうむり、1972年の復帰後だけでも、米軍人等の刑法犯罪件数が6,000件近くに上る。
  沖縄県民は、米軍による事件・事故、騒音被害が後を絶たない状況であることを機会あるごとに申し上げ、政府も熟知しているはずである。
  とくに米軍普天間基地は市街地の真ん中に居座り続け、県民の生命・財産を脅かしている世界一危険な飛行場であり、日米両政府もそのことを認識しているはずである。
  このような危険な飛行場に、開発段階から事故を繰り返し、多数にのぼる死者をだしている危険なオスプレイを配備することは、沖縄県民に対する「差別」以外なにものでもない。現に米本国やハワイにおいては、騒音に対する住民への考慮などにより訓練が中止されている。
  沖縄ではすでに、配備された10月から11月の2ヶ月間の県・市町村による監視において300件超の安全確保違反が目視されている。日米合意は早くも破綻していると言わざるを得ない。
  その上、普天間基地に今年7月までに米軍計画による残り12機の配備を行い、さらには2014年から2016年にかけて米空軍嘉手納基地に特殊作戦用離着陸輸送機CV22オスプレイの配備が明らかになった。言語道断である。
  オスプレイが沖縄に配備された昨年は、いみじくも祖国日本に復帰して40年目という節目の年であった。古来琉球から息づく歴史、文化を継承しつつも、また私たちは日本の一員としてこの国の発展を共に願ってもきた。
  この復帰40年目の沖縄で、米軍はいまだ占領地でもあるかのごとく傍若無人に振る舞っている。国民主権国家日本のあり方が問われている。
  安倍晋三内閣総理大臣殿。
  沖縄の実情を今一度見つめて戴きたい。沖縄県民総意の米軍基地からの「負担軽減」を実行して戴きたい。
  以下、オスプレイ配備に反対する沖縄県民大会実行委員会、沖縄県議会、沖縄県市町村関係4団体、市町村、市町村議会の連名において建白書を提出致します。
 
 1.オスプレイの配備を直ちに撤回すること。及び今年7月までに配備されるとしている12機の配備を中止すること。また嘉手納基地への特殊作戦用垂直離着陸輸送機CV22オスプレイの配備計画を直ちに撤回すること。
 2.米軍普天間基地を閉鎖・撤去し、県内移設を断念すること。