昨年夏に発行した『学習の友』別冊『歴史の真実と日本の針路─信じ合えるアジアをつくるために』を、あらためて紹介します。
歴史の真実をねじ曲げる政治家などの発言がくり返される。
その歴史的背景には、大戦後の「戦犯」の免責、アジアとの和解を妨げたサンフランシスコ講和条約と日米安保、1990年代以来の歴史修正主義の組織化などの問題がみえてくる。
日本の「歴史認識」とアジアの平和について考える。
昨年夏の刊行ですが、改憲問題と密接にかかわって、まだまだ普及・活用してもらいたいと思います。
《おもな内容》
◆ 改憲派の歴史認識と東アジア
広川禎秀(大阪市立名誉教授)
橋下「維新の会」や安倍・自民党の歴史認識の問題。日本の軍事大国化、新自由主義「構造改革」、格差社会、社会的閉塞状況、と国内の排外的ナショナリズムとの連関。民主的運動の課題 など
◆女性の権利を踏み荒らした日本軍「慰安婦」制度
早川紀代(女性史研究者)
橋下「維新の会」の暴論、自民党反動勢力の執拗な攻撃とその原因。「慰安婦」問題告発の運動。各国政府、国際機関の見解、国際世論 など
◆「東京裁判」の意義と日本の戦争責任
粟屋憲太郎(立教大学名誉教授)
「東京裁判」とは何か? 何が裁かれたのか? その意味、世界の中の位置づけ。近年の「歴史修正主義」の側からの攻撃、正しい歴史認識をめざす人たちとの論争 など
◆戦後国際社会への挑戦と歪められた歴史認識
柴山敏雄(歴史研究者。勤労者通信大学教科委員)
帝国日本の侵略戦争と植民地支配とは? 戦後の国際秩序を否定する戦争認識。安倍の侵略否定発言、靖国神社問題、戦後の国際秩序を否定する戦争認識を乗りこえるためには など
◆「ナショナリズム」とはなにか
浜林正夫(一橋大学名誉教授)
「ナショナリズム」が形成された経過。イギリス、ドイツなどと日本の比較。今日、排外的ナショナリズムがなぜ横行するのか。その政治的経済的要因 など
■現場からのレポート
◇排外主義に走る若者たち(新大久保事件レポ) 掛札昌邦
◇名古屋市長、南京大虐殺否定発言 八木幸夫
◇教科書問題と「副読本」弾圧(横浜) 土志田栄子
◇「靖国神社」問題を知らせる活動と反響 西村美幸
◇「道徳」教育の強制とその裏にある危険な意図 浅尾弘子
◇日韓市民の心つなぐ文化交流の発展を 山田博樹
本体476円
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