労働者教育協会のブログ

生きにくいのはあなたのせいじゃない。

『歴史の真実と日本の針路』(『学習の友』2013別冊)

 昨年夏に発行した『学習の友』別冊『歴史のイメージ 1真実と日本の針路─信じ合えるアジアをつくるために』を、あらためて紹介します。
 
 
 「『従軍慰安婦』は必要だった」「南京大虐殺はなかった」「侵略の定義は定まっていない」

 歴史の真実をねじ曲げる政治家などの発言がくり返される。
 その歴史的背景には、大戦後の「戦犯」の免責、アジアとの和解を妨げたサンフランシスコ講和条約日米安保、1990年代以来の歴史修正主義の組織化などの問題がみえてくる。

 自民党の変質と「右派」安倍内閣の成立。日本国民のなかで、偏狭な「ナショナリズム」と平和的な良識がせめぎ合う。民主的運動で国民世論は変わりうる……そのためには何が必要か?

 日本の「歴史認識」とアジアの平和について考える。

 昨年夏の刊行ですが、改憲問題と密接にかかわって、まだまだ普及・活用してもらいたいと思います。
 

《おもな内容》

改憲派歴史認識と東アジア
広川禎秀大阪市立名誉教授)
橋下「維新の会」や安倍・自民党歴史認識の問題。日本の軍事大国化、新自由主義構造改革」、格差社会、社会的閉塞状況、と国内の排外的ナショナリズムとの連関。民主的運動の課題 など

◆女性の権利を踏み荒らした日本軍「慰安婦」制度
早川紀代(女性史研究者)
橋下「維新の会」の暴論、自民党反動勢力の執拗な攻撃とその原因。「慰安婦」問題告発の運動。各国政府、国際機関の見解、国際世論 など

◆「東京裁判」の意義と日本の戦争責任
粟屋憲太郎(立教大学名誉教授)
東京裁判」とは何か? 何が裁かれたのか? その意味、世界の中の位置づけ。近年の「歴史修正主義」の側からの攻撃、正しい歴史認識をめざす人たちとの論争 など

◆歴史の真実を学び、対話によってアジアの平和を
山田敬男(労働者教育協会会長)

◆戦後国際社会への挑戦と歪められた歴史認識
柴山敏雄(歴史研究者。勤労者通信大学教科委員)
帝国日本の侵略戦争と植民地支配とは? 戦後の国際秩序を否定する戦争認識。安倍の侵略否定発言、靖国神社問題、戦後の国際秩序を否定する戦争認識を乗りこえるためには など

◆「ナショナリズム」とはなにか
浜林正夫(一橋大学名誉教授)
ナショナリズム」が形成された経過。イギリス、ドイツなどと日本の比較。今日、排外的ナショナリズムがなぜ横行するのか。その政治的経済的要因 など

◆日本の安全とアジアの平和をどう守るのか
 川田忠明(日本平和委員会常任理事)
東アジア共同体構築の意味。領土ナショナリズムを乗り越えるアジアの連帯の意味 など

■現場からのレポート
◇排外主義に走る若者たち(新大久保事件レポ)  掛札昌邦
名古屋市長、南京大虐殺否定発言  八木幸夫
◇教科書問題と「副読本」弾圧(横浜)  土志田栄子
◇「靖国神社」問題を知らせる活動と反響  西村美幸
◇「道徳」教育の強制とその裏にある危険な意図  浅尾弘子
◇日韓市民の心つなぐ文化交流の発展を  山田博樹

■資料編
ポツダム宣言(1945 年)・解説
侵略の定義に関する決議(1974 年 国連総会)
河野談話」(1993 年)
村山談話」(1995 年)
従軍慰安婦問題史料

 本体476円

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