労働者教育協会のブログ

生きにくいのはあなたのせいじゃない。

日米安保を軸とする総学習運動の研究会(第1回)

 本日午後、日米安保を軸とする総学習運動の研究会(第1回)を開催しました。
 参加は18人でした。
 
 今回のテーマはアメリカの新しい世界戦略、とくにアジアや中国への対応の変化についてです。
 報告は、日本平和委員会常任理事の川田忠明さん。
  「解析 アメリカの新戦略─アジア重視と『対中包囲』論」と題して、パワーポイントを駆使して90分ほどのお話でした。
 
 川田さんは最初に、アメリカの戦略的変化の背景の1つとして、リーマンショック後の激変をふまえたものであると強調しました。
 アメリカの経済や財政が急速に悪化していることを、いくつかの資料やデトロイトの廃墟化といった具体例をとりあげて紹介しつつ、そのことと先制攻撃戦略の破綻が新戦略の土井記になっていると指摘しました。
 そういうなかで、アジアへの経済的活路をもとめた対応が必要であるという認識にたち、東南アジア友好協力条約(TAC)に加盟し、参加資格を得たうえで東アジアサミットに参加するなどアジア重視と中国との連携を模索していると説明しました。
 
 しかし、覇権主義もけっして引っ込めてはおらず、金のかからない効率的な方法で対応する必要があることなども議論されており、「思いやり」予算などでいたれりつくせりの対応をしていう日本はまさにかっこうのターゲットになっていることが示されました。
 
 そういうなかで、いままで無視してきた東アジアの多国間機構への関与を決断。
   「アメリカはもはや自分のつくった土俵だけでは相撲がとれないことを知り、相手の土俵にのる歴史的決断をした。そこでは、中国のみならず、アメリカ自身も勝手な振る舞いはゆるされない。ルールといえばいうほど、国際公理に拘束される」という指摘にはなるほどと思いました。
 
 また「懐深いASEANの戦略」として、「対話で強調と安定をめざすのがASEAN流。話し合うプロセス自体(紛争にならない)を重視する。焦らない。コンをつめない」と特徴でけましたが、まさに地域における集団安全保障の具体化を地で行っていると再認識しました。
 
 次回は6月26日(火)、テーマは「日米安保と日本経済(仮題)」。
 報告者は萩原伸次郎氏(横浜国立大学教授・神奈川県労働者学習協会会長)です。
 会場は全労連会館3階会議室です。
  ※地図は以下をクリック↓
   
http://www.zenrouren-kaikan.jp/image/kaikan_acsess_map_large.pdf
 
 どなたでも参加できます。
 申込・問合せは労働者教育協会まで。
 電話03-5842-5642
 FAX03-5842-5645
 担当:大石・吉田