東京労働学校三多摩教室の関係者を中心に、以前は『学習の友』学習会とともに勤通大サークルも活発にひらいていたのですが、教室への参加人数の減少、とくに青年の参加が極端に少なくなったこともあり、近年は教室をひらくのがやっとという状況がつづいていました。
今回、ひさしぶりに勤通大サークルをひらくことができ、うれしく思います。
1回目は第1章「ものの見方・考え方の基本」を学習しました。
4人の参加者は勤通大についてはけっこう学習してきているか、あるいはベテランの活動家でかつては学習したというメンバーなので、内容の理解自体は比較的スムーズにすすんだと思います。
一番議論になったのは、唯物論と観念論の対立という哲学の根本問題について。
このテーマは、案外、短絡的にとらえられる場合があり、たとえば、「哲学には唯物論と観念論の2種類あり、唯物論が正しくて、観念論はまちがっている」というように。
そんななかで、いきなり先ほどのようにいってしまっては、初学者からすれば???でしょう。
議論のなかで強調されたことの1つは、「大事なことは、物質と精神の関係を正しくとらえること。言動の1つひとつを『唯物論か観念論か』と裁断することが目的ではない」ということ。
また、「唯物論こそ心を大切にする」という点も、注意が必要だという指摘もありました。
この命題自体は正しいのだが、この点ばかりをやたらと強調すると、観念論がすりこまれた頭で聞いていても、「自分はそうは思わない。あなたとは意見がちがう」といわれて、それっきりということになりかねません。
単純に唯物論と観念論のどちらが正しいか、としてしまうと問題の矮小化になる、と。
観念論は、精神(心)を現実からきり離して、一面的に強調するところに問題がある。
つまり、「物質と精神の関係」を正しくとらえていない、というわけです。
それなりに学習や実践経験を積んできた方ばかりでしたが、あらためて新鮮な気持ちで、唯物論と観念論について学習でき、晴れ晴れとした顔をしていたように思います。