《社会科学学習の新しい“入口”》
勤労者通信大学(勤通大)・入門コースは、開校50周年となる2018年度に新設したコースです。入門コースは、勤通大運動のすそ野をひろげ、初心者を大量に受け入れることによって、勤通大運動の再生の可能性をつくりだすことを目的としています。
勤通大はこの間、基礎理論コース(2020年)、労働組合コース(2021年)もテキストを全面改訂しましたが、入門コースの開設によってそれぞれのコースにより入りやすくするとともに、『学習の友』の購読や地域労働学校への参加を促すなど、活動家育成の多様なルートをつくることにもつなげたいと思っています。
活動家育成には社会科学(とくに科学的社会主義)の学習が必要不可欠です。入門コースは、そのための新しい“入口”にピッタリです。
《“再入門”にもなりうる》
入門コースの受講対象は、青年労働者あるいは地域運動や労働組合活動にかかわっている人、労働組合役員になって経験の浅い人など幅ひろく考えています。あえていえば、世の中を少しでもよくしたいと思っている市民ならどなたでも受講してもらいたいといっても過言ではありません。初心者だけでなく、一定の経験のある活動家をふくめて、あらためて科学的社会主義の原点を学び直すきっかけ、学習教育運動の活動家育成のための“再入門”としても充分に役立つものになっていると思います。
《親しみやすさへのさまざまな工夫》
テキストの作成にあたっては、以下の諸点に留意しました。
○青年や労働者・市民の生活や文化の今日的状況にかみ合う内容とすること。
○次の学びへの橋渡し、方向性の提示、ざっくりと世界観をつかめるようにする。
○予備知識なしに読みすすめられるように、平易な文体・表現にする。社会科学の用語は最低限必要な範囲で用い、できるだけ本文で理解できるように配慮する。必要な範囲で注釈を付す。
○ものの見方(哲学)は、全体にちりばめることとし、哲学の用語を知るよりも、発想のしかたや考える視点を学ぶ。
○各章冒頭の「問いかけ」で入りやすくし、各章末にはコラムを配置。
○入門書であること(わかりやすさ、興味・関心)と同時に「テキスト」であること(基本事項にかかわる正確さと水準)。集団学習を重視しつつも、独習も可能なこと。
《入門コース「カフェ」》
入門コースは、この4年間で1800人を超す方が受講生しています。「具体的でわかりやすい」「いままでのテキストと趣を変え、読みやすい」「すそ野をひろげるのにちょうどよい」などおおむね好評を得ています。
入門コースの場合、気軽に集まっておしゃべりする「しゃべり場」「カフェ」の“ネタ”にも最適です。実際、各地でそのような学習会もひらかれています。この間はZoom活用も増えていますが、学びの“入口”としてはこうしたかたちもいいと思います。
また、全労連(全国労働組合総連合)主催の「わくわく講座」を修了した人が、さらに社会的視野をひろげるための学習としても注目されています。
《地図やカーナビがあってこそ》
ある労働組合の役員は、「基礎理論を身につけず、組合活動をすすめることは、砂漠の真ん中を地図もカーナビももたず車を運転するようもの。目的地はどこか、どうすればたどり着けるか、わからないままだ」と語っています。若い組合員が羅針盤を身につけることは、労働組合、各団体の運動を支えるだけでなく、世代的継承にとっても決定的に重要です。多くの方に入門コースの受講を呼びかけます。
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