《①「こんにちの改憲のねらいは第9条にある」といわれていますが、それはどういうことなのか、次の4つのキーワードを用いてまとめてください。
日米同盟 憲法第9条第2項 集団的自衛権 平和的生存権
※キーワードは以前は3つだったが、2013年度は「平和的生存権」を加えて4つにした。
みただけで、①のテーマはかなり高度な問題であると思ったことと思います。
実際、教科委員の方でも、「自分がやってもしんどい」というくらいです。
逆をいえば、このテーマに的確にこたえられるレポートが書ければ、講師活動もできるくらいの力がつけられる、ということもいえます。
そうはいっても、やはりハードルが高すぎるのか、まとまりはよくても、説明が食い足りなかったり、あるいはまた、問題の意味をとりちがえて、キーワードを1つだけ選んだり、それぞれのキーワードの意味を説明するだけのものだったり、受講生によってかなり色合いのちがうできばえになっていました。
この傾向は年々、強くなってきていました。
これでは学習効果、教育効果はあまり上がらないと判断し、今年度から設問内容を以下のように変えました。
《●修了レポート 以下の各設問について、指定された行数の範囲でまとめてください。
今年度は「選択」ではなく、両設問とも必須課題としました。
というのも、実は、番号選択を記入する欄を印刷していなかったこともあって、両方にとりくむ受講生が多くみられたからです。
熱心にとりくんでくださるのはありがたいのですが、①のできばえと合わせて、一工夫、二工夫が必要だなと思っていたところです。
今年度の第2回テスト・修了レポートはまだ提出がはじまったばかりですが、とりあえずこれまでみた範囲では、設問内容を修正してよかったと思います。
①の解答はだいぶすっきりしました。
設問の意図もわかりやすく受け止めていただいているように思います。
ただ、1点だけ気になることが……。
まだ提出枚数が少ないので早合点してはいけないとは思いますが、これまでのところ、1については的確に整理されているものの、2については意外と言及されていません。
周知のとおり、安倍政権が7月1日に集団的自衛権の行使を容認する閣議決定をしましたが、これはこれまでの政府解釈の大きく変更するものと各方面から批判が相次いでいます。
憲法第9条と集団的自衛権の関係について正確にとらえるためには、こうした情勢との関係をきちんとふまえながら、テキストにそって整理する必要があります。
理念的に理解するだけでなく、現実の解釈や運用を理念との関係でどうみるか、という点が運動にとって大切になると思います。〈Y〉