労働者教育協会のブログ

生きにくいのはあなたのせいじゃない。

パブの貯金箱─入門コースコラムより

 恒例?の入門コーステキスト拾い読みです。

 今日はコラムの1つを紹介します。

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《パブの貯金箱》

●フリーゾーンとしてのパブ
 労働組合がこの世に出現したのは、18世紀のイギリス。資本主義の勃興期に、都市に移住して工場で働く労働者たちが、きびしい労働を終えて、安い酒を飲みに寄り集まってきます。そこは、パブリックハウスと呼ばれた労働者たちの社交場、工場近くの、あるいは地域的なフリーゾーンでした。

●パブの貯金箱
 労働者が集まるとグチや不満を言い合います。工場主の悪口を言いたてる仲間もいます。酒の勢いでケンカになることもあるでしょう。そんな時はパブのマスターが「まあまあ」と仲をおさめます。いつもの仲間が顔を見せなくなると心配になります。ケガや病気で寝込んだ、となれば「みんなでお見舞いをするか」ということにもなります。そういうときのために、日頃から少しでもお金を出し合っておこう、ということで、マスターが用意した貯金箱に、ささやかですが、仲間たちがお金を入れ、お見舞いの資金にします。今で言えば、労働組合の共済制度です。当時のイギリスでは、パブから始まった「友愛協会」という共済組織が、たくさんできていたそうで、ボックスクラブ(貯金箱のあるクラブ)とも呼ばれたそうです。

労働組合が生み出される
 労働者が寄り合う、言いたいことを言い合う、パブの貯金箱のお金で何かあったときに支え合う……パブで出会った労働者たちは「知り合い」から「仲良し」の関係になっていきます。不満が高じると、みんなで工場主をとっちめてやろう、とか、みんなでサボってやろうか……「赤信号、みんなでわたれば怖くない」というわけですね。こうして、労働者は団結してたたかうようになっていきます。生活相談や労働相談、時には闘争本部。パブは「ときどき仲良し」から「いつでも仲良し」の労働者の関係を深め、労働組合を生み出す場になりました。

●仕事のあっせん、女性の参加も
 パブでの集まりは、労働者の情報交換の場でもありました。失業した仲間がいれば「おれんとこで募集しているよ」というあんばいです。求職者のリストをつくり、工場経営者たちに紹介をするパブのマスターもいました。当時は公共職業安定所などというものはありませんから、今日のハローワークを代行する役割を果たしてもいたのです。
いつも飲んでばかりではカネもかかります。きちんとした話し合い=会議をしようということから、コーヒーハウスに集まることもあって、女性労働者たちの参加も広がっていったようです。

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