安倍内閣は、本日6日、「働き方改革一括法案」を閣議決定した。同法案をめぐっては、裁量労働制に関する異常値を含む「ねつ造データ」問題が発覚、首相が謝罪し、「裁量労働制の拡大」を取り下げる事態となっていたが、同じ不適切データをもとに検討されてきた「高度プロフェッショナル制度」は残されたままとなっている。さらに与党内の議論だけで、中小企業についての施行日を遅らせた上に、時間外労働の上限規制違反に対する助言指導に手心を加える付則を新設する改悪修正も施されている。
裁量労働制の問題を契機に、政府に対しては、あらためて労働実態の把握を重視した政策形成が求められている。しかし、加藤厚生労働大臣においては、誠意ある政策審議に向けた体制の立て直しどころか、野村不動産の違法な裁量労働制に対する是正勧告にかかわって、遺族が公表を求めた過労自殺の事実や行政の動きを隠ぺいし、不誠実な答弁に終始していることが野党から追及されている状況である。こうしたさなかに、労働政策審議会にはかることもなく、一方的に法案を修正し閣議決定を行ったことに対し、全労連は抗議する。
閣議決定された一括法案の内容は、(1)定額働かせ放題・過労死促進の「高度プロフェッショナル制度創設」、(2)「月100時間未満におよぶ過労死ラインの残業上限規制導入」、(3)「同一労働差別賃金容認法整備」、(4)労働者保護法が適用されない「非雇用型就労の普及」を狙う雇用対策法改悪など、今でも問題のある日本の労働者の働き方を、さらに劣化させる複数の法律案が一括りにされている。全労連は、働き方改革一括法案については徹底審議の上撤回し、人間らしく働くための本物の「働き方改革」、労働法制の抜本的な改正を求め、たたかう決意である。
※全労連HPより転載。
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