労働者教育協会のブログ

生きにくいのはあなたのせいじゃない。

憲法改正に必要な国民投票での「過半数」とは?

 憲法コース受講生からの質問と解答を掲載します。


《質問》

 テキストには、「憲法第96条が、憲法を改正するさいには国民投票で国民の過半数を必要としている」とありますが、「国民の過半数」ではなく「投票者の過半数」ではないでしょうか?


《解答》

 安倍首相は、こともあろうに70年目の憲法記念日である5月3日に、2020年に改憲を施行すると明言しました。
   「施行」ですから、その前に国会での発議をとおし、国民投票を実施しなければなりません。
 2017年の現在から数えて、その期間は2年半程度です。きわめてタイムリーな質問といえます。

 現在は国民投票法が制定されてしまっていますから、本来ならこの議論は法律との関係でやるべきですが、ここではあくまで憲法の問題としてお答えします。

 結論からいいますと、「国民の過半数」で差し支えないと思います。第96条では「その過半数」となっており、「その」は「国民投票」のことを指します。

 もちろん、国民投票の制度が具体化されれば、投票権をもつ人(有権者)の範囲が限定されますから、あなたのいうように「投票者(有権者)の過半数」ともいえるかもしれませんが、より厳密にいえば、「有効投票数の過半数」ということになるでしょう。

 ただしその場合、有権者の範囲をどのように確定するかが重要となります。
 憲法の立場にそくしていえば、国民主権にふさわしい国民投票制度たる有権者の範囲をどのように確定するか、ということです。
 憲法を制定した段階では、まだ実際に「改正」することは想定されていませんから、当然のことながら、有権者の範囲をどうするかについての議論はなされていません。
 そうした前提にたてば、とりあえずは一番ひろく「国民」と解釈するのが妥当だといえます。  (勤通大事務局)

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