労働者教育協会のブログ

生きにくいのはあなたのせいじゃない。

新入社員の皆さん──組合だからできることがあるんです/愚痴に終わらせず職場改善へ

新入社員の皆さん──                        組合だからできることがあるんです/愚痴に終わらせず職場改善へ

●一人じゃないから頑張れる
 
 労働組合は若い世代にあまりいい印象を持たれていないといわれます。でも、職場と社会にとって不可欠の存在。組合はどんなふうに役に立っているのでしょうか。
 一番の役割は、職場をよくすることです。どんな会社にも改善すべきことはあり、不満を持って働いている人も大勢います。それを愚痴で終わらせるのか、改善に向けて動き出すのかでは大きな違いがあります。
 賃金が低い、残業代がきちんと出ない、休日出勤が多い、上司にいじめられている、トイレが汚いなど、いろんな不平・不満・怒りがあります。
 組合は不満に向き合い、議論して要求にまとめ、解決するために使用者側と話し合う役割があります。団体交渉権です。会社は交渉を拒否できず、誠実に話し合うことを労働組合法で義務付けられています。
 一人で不満を解決するのはとても難しいこと。不当な解雇や賃下げ、セクハラなどに苦しんでいる人は多いものの、組合のない職場では泣き寝入りさせられがちです。
 見方を変えれば、働く者を不当に扱わせないための「抑止力」の役割を担っているのです。普段は何をしているのか見えにくい組合でも、あるのとないとでは大違い。なければ、経営者のやりたい放題がまかり通る恐れがあります。
 
●要求実現のかぎは職場の団結力
 
・不当配転きっかけに組合/過半数社員が団結
 
〈事例1〉 東京のある中堅出版社に労働組合ができたのは、昨年8月。パワハラと退職強要が横行する職場で1人の労働者が不当配転を撤回させたことをきっかけに、過半数の社員が組合結成に参加しました。
 賃金や一時金の支給基準が不明確で、仕事で使うパソコンさえ自己負担という状況に「職場の不満」がたまっていたのです。その後、就業規則を開示させ、団体交渉も行っています。組合役員は「会社をよくしたいから頑張れる」と語っています。
 
・非常勤の雇用延長実現/組合結成、賃上げも
 
〈事例2〉 中国地方のある自治体で非常勤職員として28年間働いてきた女性の話。正職員だけ65歳に定年延長されたことに納得できず声を上げたら、組合が交渉し、雇用延長が実現しました。「組合の力を初めて実感しました」。その後、非正規だけの組合を立ち上げ、10年ぶりの賃上げも。
 処遇や雇用条件が悪くなっている自治体が少なくない中、「組合があるから闘えることをもっと広めていきたい」と語ります。
 
・パート雇い止めを撤回/全員加入で団体交渉
 
〈事例3〉 長野県の病院で、医療事務を委託に切り替え、パート全員を雇い止めする提案が出た時、パート23人全員が組合に加入。団体交渉で提案を当面撤回させました。
 勤続5年の女性は「組合に入れるとはみんな思っていなかったけれど、わずかな望みにかけてみようと。弱い立場にある自分たちの意見が通るとは正直驚いた。声を上げてよかった」。ベテランパートも多く、管理職から「欠くことのできない戦力だ」と支援されたことも力になりました。


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