労働者教育協会のブログ

生きにくいのはあなたのせいじゃない。

勤通大も活用し基本と基礎の学習を─山田浩文さん(神奈川労連事務局長)

●勤通大も活用し基本と基礎の学習を
 
神奈川労連 事務局長 山田浩文
 
 
・活動家の育成を重視
 
神奈川労連では、組織拡大3か年計画を確立し今年が最終年度にあたります。計画でとりわけ重視したのが、「活動家の育成」です。どこの組織も同じような状況にあると思いますが、労働組合運動を中心的に担ってきた方々が退職することによって、職場の日常活動の停滞や組織拡大が充分に進まない状況が生まれています。
急がば回れ」。組織拡大を成功させるためには、活動家の育成が必須課題となっています。その具体化として、神奈川労連の「学習教育実施要綱」を策定しました。全労連「わくわく講座」や各組織の労働学校などを位置づけるとともに、勤労者通信大学について受講者数の目安も示してとりくみを呼びかけています。また、『学習の友』の活用も重視しています。
さらに、受講生の募集の時期には改めて、とりくみを呼びかける文書を各組織に送付し、神奈川労連幹事会などの機関会議でも強調するなどしています。
こうした文書にどれほど実効的な効果があるかは分かりませんが、少なくとも神奈川県学習協会からの働きかけのしやすさという点ではプラスになっているのではないでしょうか。
こうしたこともあってか、昨年の勤通大の受講生は一昨年を大きく上回り、140人を超えています。特徴的なのは、この間あまり受講のなかった自治労連関係で受講が進んだことです。これには昨年、横浜で開催された全国学習交流集会も良い影響を与えていると思います。
 
・賃金要求のない春闘要求書
 
この間、いくつかの職場の話しを聞いていると、本当に基礎的な学習が強く求められているということを感じます。ある地域組織で、それぞれの職場で提出する春闘要求書を持ち寄って交流するという学習会が行われました。そこに2030代が執行部の民間職場からも参加があり、その春闘要求を見たところ賃金要求がありませんでした。理由を尋ねると「経営者から賃金要求を出してはいけない。要求項目を多くしてはいけない」と言われたからとのこと。他の職場の要求も見るなかで、「こんなことも要求していいんだ」と学んだとのことでした。
ちょっとビックリかもしれませんが、労働組合の活動をきちんと継承されずに、いきなり若い執行部などになった場合は、こうした基本的なこともわからないことがあります。私自身の反省でもありますが、「これくらい常識だろう」と先入観をもって対応したり、議論していては、大きなズレが生じかねません。基本・基礎から話をしていくことを心掛けたいと思います。
そして、こうした仲間は労働組合の活動にやる気がないわけではありません。何とかしたいと思っても、どうして良いのかわからないだけです。こうした仲間にこそ、基本・基礎を学べる学習を広げていくことが職場を強くし、ひいては労働運動全体の強化と拡大につながります。多くの仲間に、とりわけ若い仲間に大いに学習を広げ、組織を強く大きくしたいと思います。
 
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