労働者教育協会のブログ

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オスプレイのことを知ろう/墜落事故の意味/危険で役立たずの高額商品

オスプレイのことを知ろう/墜落事故の意味/危険で役立たずの高額商品

 米軍輸送機オスプレイが「着水」したという。海に「不時着」したのだそうだ。そして「大破」したのだとか。某公共放送は沖縄のローカルニュースでも「不時着し、大破した」と繰り返している。
 12月13日午後9時半ごろ、米軍普天間飛行場所属のオスプレイが名護市の大浦湾の北側の浅瀬に墜落した。沖縄挙げての猛反対を押し切って2012年10月に強行配備して4年が経過し、遂に起きてほしくないことが起きた。
 多くの人が辞書を引いたかもしれない。米軍は「着水」と言い、日本政府は「不時着」と発表。現場を見ると機体は「大破」している。「不時着」と「大破」をつなげただけで報道する多くの日本メディア。海外メディアは全てcrash(墜落)と報じているのだが。大破するような不時着は墜落というのが常識ではないか。日本政府が米国の言いなりだということは誰もが知っていることだが、なぜメディアまで卑屈に自らの常識を信じないのだろうか。
 
●必ず落ちる
 
 この際、オスプレイについて三つのことを確認したいと思う。
 一、軍用機は必ず落ちる。
 軍用機は兵員の安全より作戦遂行を優先する。そのために訓練をする。だからある確率で落ちることを想定せざるを得ない。民間機は、絶対に落ちてはならないということを前提にお金を取って人を乗せる(そうでないなら、内視鏡検査のように事前に同意書を取るべきだろう)。そして、今回、夜間の空中給油訓練で事故が起きた。
 さらに軍用機は安全よりも性能を優先する。だから、回転翼部分に放射性物質を使っている。今回も機体の回収作業に防護服姿の一群が現れた。海は間違いなく放射能で汚染された。
 
●構造的に危険
 
 二、オスプレイは構造的に危険な機体である。
 オスプレイは二つのプロペラ付きエンジンをシンクロさせて上下し、ヘリモードと(飛行機のように飛ぶ)固定翼モードに変換する。そのため、滑走路が不要でヘリより速く航続距離も長い。それ故に「夢の航空機」とされた。しかし、そのためにプロペラの大きさが、固定翼モードでは大きすぎ、ヘリモードでは小さすぎることになる。
 普通のヘリコプターは、エンジンが停止しても十分な高度があればオートローテーション(自動回転)によって一定の浮力を維持し、かじを使って着陸場所を多少は選ぶことができる。しかし、オスプレイは重量に対してプロペラが小さく、開発段階からこれが不可能であることが分かっていた(日本の防衛省は問題ないと強弁していたが)。そして、今回、固定翼モードのまま墜落した。機体を制御できなかった証拠だ。