労働TOPIC/制度の限界示した地域別最低賃金
労働TOPIC/制度の限界示した地域別最低賃金
2016年度の地域別最低賃金改定で、7月26日、引き上げ額の目安が示されました。東京など大都市部中心のAランクが25円で、東北や九州、四国の県が多く、最も低いDランクは21円。引き上げ幅は現行表示方式では過去最大ですが、制度の限界が現れた審議でもありました。
目安を検討した審議会では、労働側委員が全国最低800円、平均1000円への2~3年での到達を主張。使用者側は直近の零細企業の賃金上昇率に基づく改定(1・1%、約10円に相当)を訴えました。労働側は生計費と賃金を、使用者側は支払い能力をよりどころにしたのです。最後に公益委員が落としどころとして、政府の掲げる「3%」を提示し、A~Dランクの額を決めました。
結果は、生活できる額には遠く、地域間格差は最大で時給218円に広がる計算です。こうなった元凶が、最賃額決定の考慮要素である「支払い能力」。先進国にはない仕組みです。
労使の主張の間をとるのではなく、生活できる水準にする仕組みが必要です。
※『連合通信』特信版より。
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