岡村親宣(弁護士)著『新装版 無名戦士の墓─評伝・弁護士大森詮夫の生涯とその仲間たち』
東京・青山霊園の一角にある「解放運動無名戦士墓」は、「大日本帝国」の暗黒時代に、凶悪な権力とたたかい倒れた人びとのために建立され、いまも平和と民主主義のために活動する人びとに引き継がれている。
本書は、この「墓」にかかわる1人の弁護士を中心としたノンフィクションである。
《すいせん文》
戦前に弾圧と病苦にたたかった弁護士の 新装版評伝。その高い志を戦後に見事に実を結ばせた家族と友人たちの努力に満ちた生涯。
それを歴史のなかに刻んだ本書にも、先人と知己たちへの筆者の深い信愛の気持ちが表れています。人間の連帯を思わずにはいられません。英気をおおいに養う一冊。
荒井新二 弁護士・自由法曹団団長
世界にも稀な厳しい戦前の弾圧下で、平和、人権、社会進歩のために活動した先達の事業と人間愛は、今日いっそう輝きを放ち、その気概と先見性は新鮮です。そのたたかいが日本国憲法をもつ新しい時代を切り拓きました。本書で紹介されている人的な継続性「歴史を繋ぐバトン」には、深い感動を覚えずにはいられません。
緒方靖夫 日本共産党副委員長・国際委員会責任者、元参議院議員
3・18 の「無名戦士合葬追悼会」には全国から千名を超える御遺族が参集されます。平和と人権のため生涯をささげた故人が顕彰されます。御遺族は故人の生前を偲ぶとともに、故人の遺志を継ぐ決意をここであらためてなさる方が多いと伺っています。主催者の甲斐も喜びも毎年ここに尽きる思いです。
鈴木亜英 弁護士・日本国民救援会会長
2200円+税
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