労働者教育協会のブログ

生きにくいのはあなたのせいじゃない。

総選挙結果に全体像をリアルにとらえつつ、運動の前進に確信をもとう!

 総選挙の結果がでました。
 マスコミは3分の2を維持した自公与党を「圧勝」と報じています。
 しかし、この「圧勝」は小選挙区マジックによる虚構のものであり、しかも自民党自身は4議席減らし、公明党が4議席増やしていることも注目に値します。
 自公に投票した人は、「とりあえず、もう少し自民党に任すけれども、公明党にはしっかりチェック機能をはたしてもらいたい」といったところでしょうか。

 自民党は、比例票では前回2012年総選挙より約100万票増やして33.1%の得票率ですが、絶対得票率では17.4%、とても国民の信任を得たなどといえる状況ではありません。
 13年参院選比例区の得票よりも約90万票減らしています。

 こうした点はリアルにみておく必要があるでしょう。

 しかし同時に、政府与党の側は「国民の信を得た」として、これまで以上に暴走を強めてくることも充分に考えられます。
 この点も見落としてはならないでしょう。

 同時に、何といっても、共産党が13議席増の21議席獲得の躍進を遂げたことが重要です。
 比例で606万票は13年参院選比例票より90万票、前回2012年総選挙比例票より240万票の増加です。
 また、「オール沖縄」の力を背景に、沖縄1区で赤嶺政賢さんが当選、18年ぶりの小選挙区での議席獲得です。
 沖縄は1区だけでなく、公認候補者を立てなかった他の選挙区でも、「オール沖縄」勢力が全勝し、自民党が敗北しました。
 共産党が安倍暴走への批判票の一定の受け皿となり、沖縄ではとにかく「自民を許さない」という世論が盤石であることが示されたといえます。

 さらに見過ごせないのは、投票率が戦後最低の52.7%に止まったことです。
 国民の政治不信、政治離れは深刻です。
 国民に政治をとりもどす独自の努力が大きな課題となっているといえるでしょう。

 こうしたなかで、学習教育運動の課題はますます大きくなっていると痛感します。
 これから本格的に改憲攻撃がはじまってきますから、その背後にある安保を切り崩すことと結合させ、“憲法と安保に強い活動家”の育成にさらに力を入れていくことが重要だと感じます。
 「海外で戦争する国づくり」と「世界で一番企業が活動しやすい国づくり」が同時併行ですすめられようとしているなか、貧困化、多忙化の問題と戦争・平和・政治・民主主義との関係を議論し、深めていく国民的な運動がもとめられます。

 課題はこれだけには尽きないでしょうが、総選挙結果の議論をさらに深め、学習教育運動の前進をはかっていきたいと思います。〈Y〉