労働者教育協会のブログ

生きにくいのはあなたのせいじゃない。

「生産力と生産関係の矛盾」は社会発展の原動力か?

 基礎コースの学習内容にかかわって、比較的、よくでる質問と解答例を掲載します。
 この間、受講生むけの通信などに掲載しているものを少しなおしました。
 
 
 
Q:生産力と生産関係の矛盾が社会発展の原動力になるということをもっと具体的に教えてください。

A:
 生産力と生産関係の矛盾は、社会発展の客観的根拠です。社会発展の原動力は、階級闘争です。
 テキストには「働く人びとこそ歴史を真につくる人びと」とありますが、階級闘争、すなわち働く人びとの社会的な実践活動こそが社会発展の原動力なのです。
 生産力と生産関係の矛盾は階級闘争を発展させ、「社会の変革を可能にするような歴史的・客観的条件を成熟させていくのです」。

 このことをもう少し具体的に考えてみましょう。
 資本主義のもとでの生産力の発展は人間を破壊し、自然を破壊して、結局は生産力そのものを破壊してしまいます。
 まじめで有能な労働者を過労死させたり、働く能力も意欲もある大量の労働者を失業状態においたり、まともな生活もできず将来の人生設計もできないな状態においているような生産関係では、資本が短期的に利益をあげたとしても、結局のところ人間の生産力を破壊してしまいます。
 また、2011年の福島原発事故は、資本主義的な利益優先の生産力がとんでもない破壊力になるという点で、「生産力と生産関係の矛盾」の最たるものです。

 このように、生産力の発展によって人間も自然も破壊されてしまうからこそ、社会を変えようという階級闘争が起こるのです。
 階級闘争といっても、賃金などの労働条件の改善などの経済闘争だけでは、社会変革の原動力にはなりません。
 「生産力と生産関係の矛盾」に根拠をもった、経済・政治・文化の全体を変えるような階級闘争こそが、社会変革の原動力になるのです。