労働者教育協会のブログ

生きにくいのはあなたのせいじゃない。

国家=悪?

 基礎コース受講生からの質問と解答を掲載します。
 
 
Q いままでもいまも「国家=悪」だと思うのですが、「社会主義国家」「共産主義国家」とは呼ばないのでしょうか。
 

A:
 人類の歴史をみると、人間社会が階級社会(社会が支配する階級と支配される階級に分かれること)に移行することに伴って、支配階級が被支配階級を抑圧するための国家=権力組織が成立します。
 それ以前の階級が存在しない原始共同体の段階には、国家は存在していませんでした。
 このように、国家は階級社会の形成のなかで必然的に生まれるものであり、国家=悪といういい方は正確ではありません。
 未来社会を展望した場合、階級がなくなり、権力による強制の必要性がなくなれば、国家がなくなる時代を展望できます。
 しかし、その前提には、社会的自治やルールの高度の発展が必要とされるでしょう。
 これが将来の社会主義共産主義社会の展望といえます。
 科学的社会主義の学説は、このように社会主義共産主義が高度に発展すると、国家の必要性がなくなり、国家がいらない時代が来るというみとおしをもっています。

 ただ、こうした時代を一挙に実現することはできません。
 日本では当面、独立・民主主義とルールある経済社会の実現という民主主義的変革がもとめられています。
 そして資本主義から社会主義共産主義の間に長期にわたる革命的転化の過渡期が必要であり、この過渡期には、社会主義共産主義を準備するさまざまな根本的改革をおこなう労働者階級の立場に立った権力が必要になります。
 この労働者階級の立場に立つ権力が一般的に「社会主義国家」「共産主義国家」と呼ばれています。

 しかし、搾取制度がなくなり、社会的自治とルールが成熟するにつれて、社会に階級がなくなり、やがて国家の必要性がなくなります。
 これが社会主義共産主義の高度に発展した段階といえます。国家がなくなる時代がやってくるのです(ただし、社会的自治とルールにもとづくなんらかの公的機関は必要になりますが)。
 私たちはそうした歴史的展望をもっています。