基礎コース受講生からの質問と解答を掲載します。
A:
人類の歴史をみると、人間社会が階級社会(社会が支配する階級と支配される階級に分かれること)に移行することに伴って、支配階級が被支配階級を抑圧するための国家=権力組織が成立します。
それ以前の階級が存在しない原始共同体の段階には、国家は存在していませんでした。
このように、国家は階級社会の形成のなかで必然的に生まれるものであり、国家=悪といういい方は正確ではありません。
未来社会を展望した場合、階級がなくなり、権力による強制の必要性がなくなれば、国家がなくなる時代を展望できます。
しかし、その前提には、社会的自治やルールの高度の発展が必要とされるでしょう。
これが将来の社会主義・共産主義社会の展望といえます。
科学的社会主義の学説は、このように社会主義・共産主義が高度に発展すると、国家の必要性がなくなり、国家がいらない時代が来るというみとおしをもっています。